オトナンサー|オトナの教養エンタメバラエティー

「悪口」をよく言う人の心理状態とは? 精神疾患の可能性も 心理カウンセラーが教える3つの特徴

他人の悪口をよく言う人の心理的な状況について、心理カウンセラーに聞きました。

他人の悪口をよく言う人の心理的な状態とは?
他人の悪口をよく言う人の心理的な状態とは?

 仕事の同僚や知人などの悪口を言って盛り上がる人がいて、対応に困ったことはありませんか。人の悪口をよく言う人の心理状態とはどのようなものなのでしょうか。人の悪口を言ってしまうのをやめることは可能なのでしょうか。心理カウンセラーの平井綾乃さんに教えていただきました。

「自信のなさ」が背景に

Q.会話のときについ他人の悪口を言ってしまう人がいますが、どのような心理が働いているのでしょうか。

平井さん「他人の悪口を言いその人をおとしめることで、間接的に『自分の方が優れている』といった優位性を確かめていることが多いのではないでしょうか。その背景には、自分の『自信のなさ』があります。悪口を言ってそれを自分の中で合理化することで、自分の自信のなさを抑圧して見ないようにしています。

また、物事を否定的に捉える傾向にある人は他者の評価も否定的になりやすいですし、劣等感のある人も他人の悪口を言っておとしめることで自分自身を保っていることなどが考えられます」

Q.人の悪口を言うのがやめられない場合、精神的な病気の可能性はあるのでしょうか。受診の目安はありますか。

平井さん「日頃から人の悪口を言うことがやめられないという場合、その人の認知はどこか被害的な可能性もあります。つまり、どんな出来事も悪い方向に考えてしまったり、誰かの発言が自分を攻撃しているように感じたりする状態ですね。発する悪口の程度や内容にもよりますが、その背景には、人格の偏りとして『パーソナリティ障害』の可能性もあるかもしれません。

特に、悪口で対人関係を破壊していくレベルの場合は病的ですね。しかし、得てして本人に病識がないため、自発的な受診はあまり見込めないと思われます。例えば、職場内で常に誰かの悪口を言って対人関係を引っかき回すトラブルメーカーもいるかもしれません。そういった場合は個人がその人を正そうとするのではなく、組織として対応を検討してもらう方が望ましいですね」

Q.人の悪口を言うのをやめたい場合、どうすればよいのでしょうか。また、他人の悪口をよく言う人と一緒になった場合、どう対処すればよいのでしょうか。

平井さん「人の悪口を言ってしまうのを自覚しており、どうにかしてやめたいという場合は、『誰かに優劣をつけずにはいられないほどの自信のなさ』について考えていく必要があります。自分の本音や無意識などと向き合うため、専門家と時間をかけて考えることが望ましいです。

一緒に行動しているグループの人が悪口ばかり言う人で、自分もある程度同調しなければならない場合もあるかもしれません。そういうときに一番理想的なのは『そのグループを離れること』です。他人を優劣でしか見ない人と一緒にいても、何もメリットはありません。しかし、仕事や学校のグループワークの都合上、一時的にどうしてもその人と一緒にいなくてはならないときもありますよね。そういうときは、悪口を聞き流す技術を磨きましょう。

その場にいない人の悪口を話され、同意を求められても『そうなの?』『初めて聞いた』『よく分からない』といったような言葉で、自分の立場を曖昧にしておくのが安全です」

(オトナンサー編集部)

【要チェック】これが、他人の「悪口」をよく言う人の“心理的な特徴”です

画像ギャラリー

平井綾乃(ひらい・あやの)

心理カウンセラー

https://tokyo-anone.com/

臨床心理士・公認心理師・キャリアコンサルタント
大学院修了後より精神科クリニックや、公立中学校(スクールカウンセラー)・大学学生相談室等でカウンセリング業務に従事し、小学生〜シニア層まで幅広い世代の相談を受ける。医療領域では精神分析を参考にした心理療法や心理検査のほか、休職者の復職支援、うつ病の先進技術(TMS治療)への心理療法などを経験。教育領域では、不登校や発達障害の子どもとの関わりや保護者・教員への助言を行う。キャリアコンサルタントとして成人のライフステージに応じたキャリア相談の経験も豊富。近年では特に不妊治療の心理カウンセリングに力を入れている。カウンセリングオフィス東京anone

コメント