定年退職した夫が「本当にうっとうしい」 妻の“友達ランチ”にもついていく「濡れ落ち葉亭主」の生々しい実態
退職後、何をするにもどこへ行くにも妻に“ぴったり”ついていく夫を指す「濡れ落ち葉亭主」。筆者が知るその実態、そして妻たちのストレスは、非常に生々しいものでした。
秋。紅葉、落ち葉……過酷な暑さの夏をくぐり抜け、木々の葉が舞い始める季節です。
退職後の一部の夫たちを「濡れ落ち葉亭主」と呼ぶ人たちがいるのをご存知でしょうか。一体なぜ“濡れ落ち葉”なのか――。「恋人・夫婦仲相談所」所長の筆者が知る具体的な事例とともに見ていきましょう。
「主人在宅ストレス症候群」とも
「濡れ落ち葉亭主」とは、まるで雨の後の落ち葉が靴にくっつくように、気が付けばいつも“ぴったり”と妻にくっついて、どこへ行くにもついてくる夫のこと。定年を迎え、会社人生が終わり、身の置きどころが「家」になったため、身の回りのことを妻に依存しがちで、リビングに寝転がっているのが好きな夫を指します。
家事を妻任せにするだけでなく、一人はさみしいので普段の買い物から趣味の習い事、果ては妻の友達とのランチまで……身も心も妻に張り付いた夫。妻にとっては「やれやれ」の状態になります。
“主人在宅ストレス症候群”という表現を使う専門家もいます。仕事一本やりで家庭を顧みることが少なかった夫。リタイアした結果、友達もいなければ趣味もない、家族を支えてきた自分に妻や子どもが感謝してくれるかと思いきや、微妙な立ち位置……何だか切ない話です。
美容院から出たら…「ゾッとした」夫の行動
千恵子さん(62歳、仮名)の夫、隆司さん(66歳、同)は商社マンで、長らく海外赴任。子どもたちが小さい頃は家族でついて行っていましたが、高校生になる頃には実質、千恵子さんが1人で子育てをしていました。
大変なこともあったけれど、それぞれが自立しながら時間を過ごし、リズムができていたという千恵子さん。それが、隆司さんが退職して日本に帰国し、同居が始まってから、どんどんストレスがたまるようになったといいます。
「今、夫は知り合いの会社の顧問として、週に2回ほど会社に顔を出しに行くのですが、それもフルタイムではなく実質ランチして帰ってくる状態で、あとはずっと家にいます。
朝は私より早く起きていて、ボーっとテレビを見ている。私が起きると『朝飯は?』と聞く。子どもたちは2人とも社会人なので、彼らに合わせてご飯を作るのですが、それだと遅いと怒る。『だったら自分でパンでも焼いて食べたら?』と言うと、『ずっと単身赴任でやってきたんだ。それくらいやってもいいだろう』と、“昔は大変だったアピール”をしてきます。けんかになるのも面倒だし、前日に夫の分の朝ご飯を用意して、冷蔵庫に入れておいています。
私が掃除などをしているときは一切話しかけてこないのに、出かけようと準備をしだすと『どこに行く?』『誰と会う?』『いつ帰るんだ?』と、周りをうろちょろしだす…まるで3歳児です。本当にうっとうしくて。この前なんて、私が美容院から出たら、隣の喫茶店から出てきたんです。ゾッとしました」
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