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文科省「夏休み延長検討」通知で…「朗報」「今さら感満載」と賛否両論、自治体も対応割れる

体育の授業や下校時の熱中症を警戒

 福岡県の中間市教育委員会は、市立小・中学校計10校で8月27日に行う予定だった2学期の始業式を、9月3日に変更することを決めました。市教委の担当者に聞きました。

Q.日程変更の理由は。

担当者「熱中症事故防止と児童生徒の健康確保を第一に考えたためです」

Q.教室にエアコンがないのですか。

担当者「小学校、中学校とも、普通教室にはすべて設置しています。特別教室も一部の教室には設置しています」

Q.教室にエアコンがあっても、変更するのですか。

担当者「登下校時や、エアコンのない特別教室での授業、体育の授業での熱中症の危険性を考えました。例年、始業式の日など最初の8月の1週間は、昼過ぎの下校としていました。一番暑い時間に下校することになるので、児童生徒の健康面を考慮しました」

Q.授業時間はどうやって確保するのですか。指導要領の改訂などで授業時間数を確保するために、一昨年から夏休みを短くしたはずですが。

担当者「始業式を行う9月3日、終業式を行う12月21日をはじめ、当初給食提供を予定していなかった日も給食を提供することで、午後の時間を有効活用し、授業時数の確保に努めます。土曜授業などほかの方法は検討中です」

Q.児童生徒、保護者へはどのように伝えるのですか。

担当者「学校からメールや電話で知らせます。中間市のホームページでもお知らせしています」

Q.共働きの保護者など、始業式の日程が急に変わると困る家庭もあるのでは。

担当者「熱中症事故防止と児童生徒の健康確保を第一に考えた決断であり、各ご家庭にもご理解とご協力をお願いしたいと考えています」

 なお、2017年度から夏休みを短縮している堺市教委は「各校にエアコンを完備しており、夏休み期間は変更しない」。授業時数確保などのため、2011年度に42日間から38日間へ、2018年度に33日間へと夏休みを短縮している富山県氷見市教委は「市内の学校すべての普通教室にエアコンを設置しており、夏季休業期間の延長はしない。ただし、登校日やプール開放、部活動などは、気象予報によって延期や中止など柔軟に対応する」としています。

 文科省が全国の公立学校の空調(冷房)設備について調査した結果によると、2017年4月時点で、小中学校の普通教室の冷房設置率は49.6%、特別教室は34.6%となっています。通知によって文科省から判断を任された格好になり、悩む自治体も多そうです。

(報道チーム)

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