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春に悩まされる「花粉症」 どんな治療法がある? 疑問を専門医に聞いてみた

花粉症を発症する原因や花粉症の治療方法などについて、専門医に聞きました。

花粉症になる原因は?
花粉症になる原因は?

 スギ花粉が2月中旬以降に本格的に飛散するといわれていますが、その影響で多くの人が悩まされるのが「花粉症」です。中には鼻水や鼻詰まり、目のかゆみなどの症状がひどく、日常生活に支障が出る人もいます。

 そもそも、花粉症になるのはなぜなのでしょうか。どのような治療法があるのでしょうか。花粉症になりやすい人の特徴や花粉症を悪化させる可能性のある食べ物などについて、湘南リウマチ膠原病内科(神奈川県茅ヶ崎市)院長で、日本アレルギー学会専門医の上原武晃さんに聞きました。

花粉の飛散が本格化する前に受診を

Q.そもそも、花粉症を発症するのはなぜなのでしょうか。

上原さん「花粉により、くしゃみや鼻水といった症状が生じる主な理由は、免疫系(アレルギー)の反応に関連しています。花粉症は、次のような順番で生じます」

(1)花粉の侵入
春から初夏にかけて植物が花を咲かせる時期になると、花粉が大量に飛散します。これらの微小な花粉粒子は風によって広がり、鼻や口から吸引されることで人体に侵入します。

(2)過敏反応
花粉症患者の免疫系は、本来無害な物質である花粉に対しても異常な反応を示します。これは「過敏反応」と呼ばれ、免疫系が本来攻撃すべきでないものに攻撃反応(アレルギー反応)を起こす状態です。

(3)抗体の放出
花粉が体内に侵入すると、免疫系はそれを異物と認識し、「免疫グロブリンE」などの特定の抗体を放出します。

(4)化学物質が炎症反応を引き起こす
抗体によって活性化された免疫細胞が、ヒスタミンなどの化学物質を放出し、これが局所的な炎症反応を引き起こします。

(5)症状の発現
炎症反応が鼻や目の粘膜に影響を与えるため、くしゃみや鼻水、鼻詰まり、目のかゆみ、充血などの症状が生じます。これが花粉症の特徴的な症状です。

このようにして、本来無害な花粉に対する過剰な免疫反応が、花粉症を引き起こします。

Q.花粉症の主な治療方法について、教えてください。

上原さん「花粉症の治療方法は、症状の程度や個人の状況によって異なります。主な治療薬や治療方法は次の通りです」

■抗ヒスタミン薬(内服薬)
くしゃみやかゆみなどの症状を軽減するために使用されます。市販薬もありますが、眠くなりやすいものや効果が強いものなど、薬によってさまざまな特徴があるため、医師の指示に従って使用することが重要です。

■鼻スプレー(点鼻薬)や目薬(点眼薬)
鼻スプレーや目薬にはさまざまな製品があり、中には抗ヒスタミン薬やステロイドが含まれている製品もあります。鼻詰まりや鼻水、涙目、目のかゆみを緩和するのに効果的です。ただし、医師の指導に従って使用する必要があります。

■抗アレルギー薬
症状が重い場合や他の治療法が効果的でない場合、医師が処方する抗ヒスタミン薬以外の抗アレルギー薬の使用が検討されます。

■アレルゲン免疫療法(減感作療法)
重度の花粉症の場合、アレルゲンに対する免疫応答を緩和するために、注射や舌下錠剤が使用されることがあります。現在、根本治療を目指した舌下免疫療法の際に保険が適応される症状は、スギ花粉症とダニによるアレルギー性鼻炎のみです。この治療法は専門医が担当し、患者の状態により適用されます。

Q.花粉症の症状がひどい場合、手術をするケースはありますか。

上原さん「花粉症に対する手術療法は一般的ではありませんが、鼻の形態や機能の異常が花粉症の症状を悪化させる可能性がある場合、手術が検討されるケースがあります。花粉症に対する手術療法の一例は次の通りです」

■鼻道形成術や副鼻腔(びくう)手術
鼻の中や副鼻腔の異常を修復するために、これらの手術が行われることがあります。これにより、鼻通りが改善され、花粉が鼻腔にとどまりにくくなります。

■手術で鼻の粘膜を補強
手術で鼻の内側の粘膜を補強することにより、花粉の侵入を抑制し、鼻症状の軽減が期待されます。

ただし、これらの手術は一般的には最終的な手段として検討され、薬物療法や免疫療法が効果的でなかった場合や異常が著明な場合に限られます。

症状が日常生活に大きな影響を与える場合、または自己処理が難しい場合は、早めに医師に相談すべきです。また、市販薬を含めた薬物療法が十分に効果的でない場合や薬の副作用が気になる場合は、専門医に相談し、治療法の見直しを検討することが重要です。

Q.花粉が本格的に飛散する時期に花粉症の症状をできるだけ抑えるコツはあるのでしょうか。今からできる対策について、教えてください。

上原さん「花粉症の薬の中には、使い始めてから最大の効果を発揮するまでに1~2週間ほどかかるものがあります。そのため、症状をできるだけ和らげるためには、花粉の飛散が本格的に始まる時期よりも1~2週間前から花粉症の薬を使用するのが良いという報告があります。

アレルギーの診療を主に行っているアレルギー内科や耳鼻科を受診し、自分に合った薬を処方してもらうのがベストな対策と言えます」

【画像】「えっ!」 これが“花粉症”になりやすい人の特徴です

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上原武晃(うえはら・たけあき)

湘南リウマチ膠原病内科院長、日本アレルギー学会専門医、日本リウマチ学会専門医・指導医・評議員

大学病院・市中病院を経て2019年神奈川県茅ヶ崎市に湘南リウマチ膠原(こうげん)病内科を開院。2000例を超えるアレルギー疾患やリウマチ膠原病専門診療の経験を通し、花粉症などのアレルギー疾患や女性特有の関節症状の鑑別、リウマチ膠原病疾患の早期発見・早期治療、専門ケアに注力した診療を行っている。更年期など女性特有の体の不調、手や指のこわばりや関節痛などの診察のため、主に東京都や神奈川県内から、毎月1000人を超える患者が来院している。湘南リウマチ膠原病内科(https://www.shonan-riumachi.com/)。

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