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プロテインの「ホエイ」「カゼイン」「ソイ」ってどう違うの? 飲み過ぎの“弊害”も管理栄養士に聞いてみた

近年、人気の高まりを見せている「プロテイン」。ホエイやカゼイン、ソイといった種類の違い、飲み過ぎによる弊害の可能性……プロテインのさまざまな疑問に、管理栄養士が答えます。

プロテインを飲み過ぎると…?
プロテインを飲み過ぎると…?

 運動習慣のある人はもちろん、近年は健康や美容を意識している人、ダイエット中の人からも注目されている「プロテイン」。不足しがちなタンパク質を手軽に摂取できるとして人気を集めていますが、あなたはプロテインの種類である「ホエイ」「カゼイン」「ソイ」の違いや、飲み過ぎの弊害について正しく知っていますか。プロテインにまつわる疑問について、管理栄養士の桜井このさんに聞きました。

プロテインはあくまでも“サポート”

Q.プロテインにはどのような種類があるのですか。

桜井さん「プロテインは、主要な原材料に合わせて『ホエイプロテイン』『カゼインプロテイン』『ソイプロテイン』の3種類が一般的です」

【ホエイプロテイン】

牛乳を原材料にしているもので、母乳に成分が近いといわれています。低カロリーかつ摂取できる栄養素が多く、体内への吸収も早いことから、運動を習慣にしている人やアスリートなどに好まれているプロテインです。

【カゼインプロテイン】

牛乳に含まれる「カゼイン」を使用しています。ホエイが水に溶けやすく吸収が早い一方で、カゼインはチーズやヨーグルトなどを作るときに利用される『固める』性質を持つため、体内にゆっくりと栄養が吸収・補給されます。

【ソイプロテイン】

名前の通り、大豆が原料のプロテインです。吸収はやや遅いものの、植物由来のアミノ酸が豊富であったり、カロリーを抑えながらタンパク質を摂取できたりするメリットがあります。また、大豆由来の成分のため、牛乳が苦手な人でも飲みやすい種類といえます。

Q.プロテインの適量はどのくらいですか。飲み過ぎると何らかの弊害があるのでしょうか。

桜井さん「プロテインはタンパク質の摂取を目的に飲んでいる人が多いと思いますが、タンパク質の1日あたりの摂取基準は厚生労働省によって定められており、成人の場合は50~60グラム程度です。ただし、タンパク質は食べ物に含まれていることも多いため、プロテインを中心にたくさん摂取する必要はありません。プロテインはあくまでも“サポート”という立ち位置なので、10グラム程度を目安に摂取できるとよいのではないかと思います。

また、体内でエネルギーを生み出す『3大栄養素』にタンパク質も含まれているのですが、プロテインを飲み過ぎるとタンパク質の過剰摂取につながってしまい、カロリーオーバーになるなどバランスが崩れてしまいます。タンパク質を多めに取りたいなら、3大栄養素のうち、脂質と炭水化物を抑えるといった調整が必要になりますね」

Q.プロテインに効果的を摂取するポイントとは。

桜井さん「栄養の吸収が早いホエイプロテインは、運動後45分以内の摂取が、より高い効果が得られる“ゴールデンタイム”の目安といわれています。一方、カゼインプロテインやソイプロテインは吸収が遅い分、腹持ちがいいことにもつながるので、置き換え食や間食など、飲みやすいタイミングで生活の中に取り入れていただくといいのではないでしょうか」

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 かつては「プロテイン=スポーツをしている人が飲むもの」というイメージでしたが、近年はタンパク質をはじめとした栄養補給源や、美容目的でプロテインを取り入れる人が増えています。過剰摂取には注意が必要ですが、さまざまある種類や商品の中から「どれが自分に合っているのかな?」と迷ったら、原材料や摂取方法を参考にしてみてくださいね。

(オトナンサー編集部)

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桜井この(さくらい・この)

管理栄養士

管理栄養士歷20年。栄養指導人数5,000人超。総合病院、高齢者施設、産婦人科小児科での勤務の後、栄養士の指導にも従事。現在はフリーの管理栄養士として、個人の栄養・食事相談から企業・飲食店・サロン・スポーツジム等の献立作成まで、幅広い活動を行う。

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