熱帯夜、快眠するには“湿度コントロール” ムダな電力消費を抑える方法もダイキンが紹介
ダイキンが、熱帯夜に役立つ上手なエアコンの使い方を紹介しています。
お盆を過ぎても、日中は気温30度を超え、夜間は25度を超える熱帯夜となっていたりとまだまだ厳しい暑さが続いています。そんな中、ルームエアコンなどを取り扱うダイキン(大阪市)が、熱帯夜に役立つ上手なエアコンの使い方を紹介しています。
快適な空間を作るために“湿度”を調節する
まず、快適な空間を作るためには温度だけでなく“湿度”を調節することも大事だということです。
ダイキンは、横浜国立大学教授の田中英登さん監修のもと、20~60代の男性6人、女性6人、計12人に「室温28度/湿度85%」と「室温28度/湿度60%」の環境でサーモグラフィーを使った可視化検証試験を実施しました。その結果、12人中10人の手部や顔部の皮膚温度が顕著に低下したということです。
そこで熱帯夜の睡眠時には「冷房運転でエアコンを使用し、室温が28度程度になるように調整することをお勧めします。冷房運転により、室温とともに湿度も
低下します」と説明しています。
エアコンの種類によっては、温度と湿度を設定できるものがあり、自宅のエアコンに湿度設定機能があれば目標温度の設定と合わせて、目標湿度を50~60%に設定すると「快適な環境作りに効果的です」といい、機能がない場合は除湿器などを併用し「湿度を調整するのも工夫の一つです」とコメントしています。
国立大学法人奈良女子大学・学長補佐で生活環境科学系の教授・久保博子さんは「深く快適な睡眠を取るためには、入眠直後に深い眠りに入ることが重要です」と説明しています。
その理由については「入眠直後は、深いノンレム睡眠が比較的長く持続して現れ、明け方にかけて、浅いノンレム睡眠やレム睡眠が多く見られます。睡眠は最初が肝心です。最初の深い眠りが持続せず浅くなると、後半に深い眠りで補おうとします。この深い睡眠が分断されてしまう状況で目が覚めてしまうのです。睡眠中特に、入眠時に体温が大きく速やか下降すると寝つきがよいといわれています」とコメントしています。
どのような環境だと入眠直後に深い睡眠に入れるかについては「人は入眠時に体温を下げるために、手足を熱くして熱を発散したり、汗をかいてその気化熱で熱を放出しようとします。そのため寝ている間で最も発汗量が多いのが入眠直後です」と語りつつ、「しかし、梅雨時から夏場にかけて、湿度は非常に高くなり、室内でも時には80%ぐらいになることもあります。こうなると、汗がなかなか乾かず、不快感とともに体温調整もうまくいかず寝つきが悪くなるということにつながります。汗がべたべたと不快でないようにするには、湿度を50%程度より低くするのがよいでしょう」と話しています。
続けて「室温は低すぎると血管が収縮して放熱出来ず逆によく眠れないため、夏の薄い半袖半ズボンなどの寝衣とタオルケット程度の少ない寝具では26~28度ぐらいの温度が快眠につながります」といい「室温だけでなく湿度をコントロールすることも、夏場の快眠のための重要なポイントの一つとして意識してください」と付け加えています。
エアコンの風を直接、体に当てないようにするには…
エアコンの風が体に当たるのが苦手という人もいると思います。そういう人には、エアコンの風向きを水平にして吹き出る風が直接体に当たりづらいようにする使い方がお勧めだということです。
また、風向きを水平にすると「節電にもつながりやすくなります」ということです。暖かい空気は上昇する性質があり、冷房中は天井付近と床付近の温度に差が出る「温度ムラ」が起こりやすくなるということです。「温度ムラ」が発生すると、エアコンの無駄な運転につながりやすくなるといい、少しでも「温度ムラ」を抑えるには、水平にするのと、空気清浄機や扇風機、サーキュレーターなども併用すると良いということです。
扇風機などは、エアコンと向かい合わせに置き、床付近の冷気を、ななめ上、天井方向に持ち上げるようにすると、室内の空気を循環することができ「温度ムラがやわらぎます」と説明しています。 気流をコントロールしながら、無駄な電力消費を抑えましょう。
エアコンの効果的な節電方法
エアコン使用時の効果的な節電方法については、室内機のフィルター掃除と室外機周辺の整理整頓が重要だとしています。
エアコンは、室内機で取り込んだ空気から熱を集めて、熱が減って冷たくなった空気を室内に戻すことで部屋を涼しくしています。室内の空気から集めた熱は室外機まで運ばれ、室外機から屋外へ追い出されます。室外機も室内機も、周囲の空気を吸い込んで、その空気から熱を集めたり、その空気に熱を逃がしたりしています。そのため「どちらもスムーズに空気を吸い込んだり吹き出したりできる状態を保つことが節電の重要なポイントです」と説明しています。
ダイキンが2022年夏に行った実験では、フィルターに約3年分のホコリが溜まっている場合、消費電力量が約1.5倍になるという結果が出たということです。さらに、約3年分のフィルターのホコリに加えて、室外機周辺の空気の流れも妨げられていた場合、消費電力量が約2倍になったということです。
快適な睡眠を取るためには温度と湿度の調整、健康を保つためにはエアコンの風向きと扇風機などの併用、節電するためにはこまめな掃除と室外機の周囲に物を置かないなどすることが重要だということです。
(オトナンサー編集部)
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