備品の盗難事例も…宿泊時に持ち帰ってOKの物、NGの物の違いは? 対策は? アパ&東横イン&スーパーホテルに直撃
ホテルの宿泊時に持ち帰ってもよい物と持ち帰ってはいけない物の違いについて、ホテルの運営会社に聞きました。
多くのホテルでは、宿泊客に対して歯ブラシやカミソリなどを無料で提供しています。こうした製品は「アメニティーグッズ」といわれ、持ち帰りが許可されているのが一般的です。一方、宿泊客の中には、客室内の家電製品などを持ち帰ってしまう人がいるため、問題となることがあります。
客室内にある物のうち、持ち帰ってもよい物、持ち帰ってはいけない物には、どのような違いがあるのでしょうか。また、備品の盗難について、どのような対策を行っているのでしょうか。アパグループ(東京都港区)、東横イン(東京都大田区)、スーパーホテル(大阪市西区)の担当者にそれぞれ聞きました。
タオル、パジャマ類の持ち帰りはNG
アパグループ東京本社の担当者によると、アパホテルの客室内に備えられた物のうち、持ち帰ってもよい物と持ち帰ってはいけない物は次の通りです。
■持ち帰ってもよい物
歯ブラシ、カミソリ、ヘアブラシ、ボディースポンジ、綿棒、シャワーキャップ、ヘアゴム、使い捨てスリッパ、インスタントのお茶・コーヒー、ミネラルウオーターなどのアメニティー類。
■持ち帰ってはいけない物
タオル類、浴衣、枕、ティッシュボックス、ベッドスロー(ベッドの上に置かれたマット状の製品)、羽毛布団、コップ類、テレビ、冷蔵庫、ケトル、ドライヤーなど。
担当者は「当社のアメニティー類は、非常に高品質な物を設置していることから、多くのお客さまがお持ち帰りいただいており、顧客満足度の向上にもつながっています。特に歯ブラシは、全先細毛となっており、『磨きやすい』とご好評をいただいております」と話しました。
アメニティー類以外の物の持ち帰り行為については、昨年10月の訪日外国人の入国緩和以降、増加傾向にあるということです。対策については、「これまでに大きな被害は発生していないことから、注意書きなどの設置は行っていません。今後、他社ホテルの動向やお客さまの利用状況を見極めながら対策を検討してまいります」と説明しました。
スーパーホテルでも、アメニティー類は持ち帰りが可能ですが、タオルやパジャマなどの持ち帰りは許可していません。
■持ち帰ってもよい物
・歯ブラシ、カミソリなどのアメニティー類(客室ではなく、ロビーに設置)
・化粧水、クレンジングオイル、ヘアトリートメントなど、女性向けのオリジナルのオーガニックアメニティー(ロビーに設置。1泊当たり5点まで提供。店舗によっては、ラインアップや提供方法が異なる場合も)
■持ち帰ってはいけない物
タオル、パジャマ、ドライヤー、コップ、温泉バッグなどの備品。
同社経営品質本部の担当者は、対策について「お客さまが、ホテルの備品だと気付かずに持ち帰る場合もございます。そのため、備品の中には、ホテル名を記載しているケースもあります」と説明しました。
その上で、「ホテルの備品の中には当社のオンラインストアで販売している製品もございます。気になった製品がございましたら、ぜひオンラインストアをご確認いただければと思います」と教えてくれました。
東横インでは、客室内にある雑誌や、店舗1階のアメニティーコーナー内にあるアメニティーグッズなど、「ご自由にお持ち帰りください」と記載された物については、持ち帰りが許可されています。一方、タオルやトイレットペーパー、ガウン、鏡などの備品は持ち帰りが禁止されています。
担当者は、「現在、お客さまによる備品の盗難行為が目立って多い、増えているという報告は受けていませんが、今後増加した場合は、注意書きなどの対策を行うことも検討します」と話しました。
宿泊時に持ち帰ってもよい物とNGの物があります。タオルやパジャマなどの備品を持ち去ると、窃盗罪に該当する可能性もあります。くれぐれも持ち帰らないように注意しましょう。
(オトナンサー編集部)
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