市販薬に表記されている「使用期限」って必ず守るべき? 薬剤師に聞いてみた
市販薬のパッケージに必ず明記されている「使用期限」。症状が治まったりすると、つい使い切らずに残したりしませんか? そして同じ症状が出た時に「使用期限」が切れた薬を発見……。果たして、服用していいのか、と悩む時もあります。そこで、薬剤師にさまざまな疑問を聞きました。
薬局などで市販薬を購入するとパッケージに「使用期限」が表記されています。この使用期限には果たしてどれほどの意味合いがあるのでしょうか……。さまざまな疑問を、薬剤師の真部眞澄さんに聞いてみました。
使用期限を過ぎた薬を服用した場合の影響は…
Q.一般的な市販薬の「使用期限」はどの程度なのでしょうか?
真部さん「使用期限はメーカーが提示する薬の品質を保証する期間のことで、一般的にはその薬が製造された日から3年程度が目安となっています。
ただし、これは未開封で、なおかつ適切な条件下で保管した場合の期間です。薬は光・温度・湿度などの環境に弱いため、車の中など直射日光に当たる場所で保管すると、より早く劣化してしまう可能性があります。
このような環境での保管は避けてください。さらに湿度から守るために、乾燥剤と一緒に袋に入れていただくといった保管方法をしてください。
また、薬によって推奨される保管方法が異なるため、箱の中にある説明書は捨てずに、いつでも確認できる状態にしておくことをお勧めします」
Q.ずばり、使用期限が切れた市販薬は服用しないないほうが良いのでしょうか?
真部さん「使用期限が過ぎてしまった薬は、有効成分が変化するなどして、本来の薬の目的とは異なる作用が体にあらわれる可能性があります。
また、副作用がより強く出てしまう、といったことも考えられます。そのため原則として『使用期限内に使い切るべき』というのが答えです。
市販薬の場合『以前、買い置きした薬が残っていてもったいない』というケースが出てくるかもしれません。ただ、安全に薬を服用していただくには、外箱に記載されている使用期限をしっかりと確認していただく工程が重要です。
また薬を処分するときは中身の錠剤、カプセルなどは『PTPヒート(成形シート)』から取り出し、封筒などに入れて燃えるごみに捨てます。外の『PTPヒート(成形シート)』は、プラごみのプラマークがついているので、必ず分けて自治体の分別に従って捨ててください。
目薬など容器に入っている薬や瓶などに入っている錠剤薬、軟膏の薬なども中身と容器も分別してください。液体は布などに吸収させて、軟こうは出して紙などに包んで燃えるゴミに捨てるようにしてください」
Q.もし使用期限が切れた市販薬を服用してしまった場合は、どうすれば良いのでしょうか?
真部さん「もし薬を服用してから、期限切れに気づいた場合は、あわてずに体に何か変化が出ていないかの様子を見るようにしてください。ただし、何も異変が出ていないからと自己判断をした上で、そのまま期限切れの薬を服用し続けることは止めてください。
また、もしもお子さんが期限切れの薬を服用してしまった場合、必要に応じて医療機関へ相談するとよいと思います。その際には、服用した薬の量や服用してからの経過時間などをメモしておくと、医療機関も適切な処置が行えると思います」
食品と同じように、市販薬にも使用期限が定められています。市販薬は誰でも気軽に購入できる物とはいえ、薬が劣化しているのを気にせずに服用すると、逆に体調不良に見舞われてしまう可能性もあります。市販薬を使用する際には、正しい保管方法と期間内に使い切るなどの方法を意識するようにしましょう。
(オトナンサー編集部)
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