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料理の必需品「まな板」、木製とプラスチック製はどちらが衛生的? 安全に使うポイントは?

安全に使用するために気をつけるべきことは?

Q.古いまな板は、新品に比べて細菌が多いのでしょうか。

李さん「過去の試験結果を見ると、年季の入ったまな板でも細菌の数に大きな差はありません。しかし、やはり長く使って古くなったものは、衛生面においては新品に劣ることがあります。材質にかかわらず、表面の傷が増えたり、汚れが蓄積されたりするとその分細菌も繁殖しやすくなるからです。抗菌加工のものでも、その効果は少しずつ落ちていきます。買い替え時の明確な目安はありませんが、使い込んで傷が増えたり、木製なら反りが出たり黒ずみが目立ってきたりすると、食材を扱う際に気になるものです。そうしたタイミングで新調するとよいのではないでしょうか」

Q.より安全に使用するためのポイントを教えてください。

李さん「扱う食材によって、まな板を使い分けることをお勧めします。生肉や生魚には食中毒の原因になる細菌が付着していることが多いため、生肉を切った後のまな板を洗わずに、生で食べる野菜を扱うのは危険です。可能であれば、肉、魚、それ以外で使い分けるのがベストです。1枚のまな板を使う場合、肉や魚など生で食べないものを切り、洗ってから生で食べる食材を切るか、もしくは先に生で食べる食材を切るようにしてください」

Q.梅雨~夏の時期に、特に気を付けるべきことはありますか。

李さん「梅雨のシーズンにやるべき特別なお手入れはありませんが、菌が増えやすくなることは事実です。室内が30~35度になると細菌が最も繁殖しやすくなります。また、湿度が高くなると、水気を含んだまな板が乾燥しづらい状態に。完全に乾いていないまな板を使って食材を切ったからといって、すぐに菌に感染し、食中毒などの症状を引き起こすわけではありませんが、日頃から『使用後はすぐに洗ってしっかり乾かす』ことを心掛けるとリスクを減らすことができます」

(ライフスタイルチーム)

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李 新一(り・しんいち)

株式会社衛生微生物研究センター主席研究員

生活環境における微生物の被害を防ぐための調査研究を行っている。問題解決のために、企業との共同研究や調査結果に基づく実用的なアドバイス提供なども行う。「ニュースがわかる2018年6月号/ミクロの働きもの 菌」(毎日新聞出版)、「PHPくらしラク~る 増刊号 2018年6月/からだスマイルPickUp2 カビ・細菌って本当にコワイ!?」など、取材・執筆協力多数。株式会社衛生微生物研究センター(https://kabi.co.jp/)。

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