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料理の必需品「まな板」、木製とプラスチック製はどちらが衛生的? 安全に使うポイントは?

毎日の料理に欠かせない「まな板」。暑い季節になってくると気になるのが、カビや食中毒菌の繁殖です。木製とプラスチック製のまな板では、どちらがより衛生的に使えるのでしょうか。

木製とプラスチック製、衛生的なのはどっち?
木製とプラスチック製、衛生的なのはどっち?

 毎日の料理に欠かせない「まな板」。最近は、さまざまな素材や形状、価格のものが販売されていますが、中でも多いのが「木製」と「プラスチック製」です。生ものを切るまな板のこと、衛生面やお手入れ方法を気にする人は多いはずですが、衛生面から見るとどちらのまな板を選ぶべきなのでしょうか。オトナンサー編集部では、衛生微生物研究センター主席研究員の李新一さんに聞きました。

濡れていると菌が増えやすい

Q.まな板に菌が繁殖するメカニズムを教えてください。

李さん「細菌は酸素・水・温度の条件がそろうと増殖します。菌の種類によりますが、最適な条件がそろえば10~30分程度で増殖(分裂)し、倍々に増えていきます。菌自体を肉眼で確認することはできませんが、『臭いがする』『色が濁る』などの変化は菌が増えた証拠です。

まな板の場合、食材や調理者に付いている細菌がまな板に付着するため、使用後は特に菌が多い状態となります。使用後、濡れたままにしておくと条件がそろい、菌が増えやすい状態となります。ただし、水分が乾くと菌はほとんど死滅します」

Q.木製のまな板とプラスチックのまな板で違いはありますか。

李さん「木製の方が細菌が繁殖しやすいと思われがちですが、実は木製もプラスチック製も、過去の試験結果からは細菌の繁殖しやすさに大きな変化はないことがわかっています。

木製は使用するにつれて表面が黒ずんでくることがありますが、調べてみるとこれはカビではなく、木自体の変色や着色によるケースが多いのです。一方、プラスチック製には『抗菌加工』が施されているものがありますが、抗菌だからといって菌が全く増えないわけではありません。

材質より大切なのが『使用後はこまめに洗い、風通しのよいところでしっかり乾燥させる』こと。これを徹底できれば、木製もプラスチック製も衛生面でのリスクはほとんど変わらないと言えます」

Q.除菌のしやすさはどうでしょうか。

李さん「除菌方法には塩素漂白、天日干し、熱湯をかけるなどがあります。まな板の消毒というと、熱湯消毒がよく知られていますが、除菌力が特に優れているというわけではなく、それぞれ適切な方法で行えばほぼ同等です。

塩素漂白は優れた除菌方法の一つですが、木製には塩素系洗剤が使えません。また、木製に熱湯をかけると変形する可能性もあります。その意味では、プラスチック製の方がお手入れ方法の選択肢が多く、熱湯消毒も手軽に行えるため、扱いやすいと言えるかもしれません。

とはいえ、木製のまな板にも、手触りのよさや食材を切る時の趣のある音などの魅力があります。『こまめに洗い、しっかり乾燥させる』というお手入れを丁寧に行うことができる方であれば、衛生面は気にせず、好みの材質を選んでよいと思います」

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李新一(り・しんいち)

株式会社衛生微生物研究センター主席研究員

生活環境における微生物の被害を防ぐための調査研究を行っている。問題解決のために、企業との共同研究や調査結果に基づく実用的なアドバイス提供なども行う。「ニュースがわかる2018年6月号/ミクロの働きもの 菌」(毎日新聞出版)、「PHPくらしラク~る 増刊号 2018年6月/からだスマイルPickUp2 カビ・細菌って本当にコワイ!?」など、取材・執筆協力多数。株式会社衛生微生物研究センター(https://kabi.co.jp/)。