「正月太り」のイメージも…「餅を食べ過ぎると太る」って本当? 管理栄養士に聞いてみた
「餅」を食べる機会が増える1月。「餅=正月太り」のイメージが根強いですが、実際、本当に太ってしまいやすい食べ物なのでしょうか。管理栄養士に聞いてみると……。

1月といえば、「餅」を食べる機会が多くなる時期です。「餅が大好物!」という人は多いと思いますが、「餅=正月太り」のイメージを持つ人も少なくないようで、「太りそう…と思いながらも毎年食べ過ぎてしまう」「餅って栄養あるのかな?」「カロリーはどのくらい?」「もち米だから体にいいのでは?」など、餅の栄養を巡るさまざまな声が聞かれます。
「餅を食べ過ぎると太る」のは本当なのでしょうか。管理栄養士の岸百合恵さんに聞きました。
同量の白米よりもカロリーが高い
Q.餅には、どのような栄養素が含まれているのですか。
岸さん「主に炭水化物です。また、多量ではないですが、カリウムや亜鉛、ビタミンB1、ビタミンB6なども含まれています」
Q.餅のカロリーについて教えてください。
岸さん「100グラム(角餅約2個)あたり234キロカロリーです。同量の白米は168キロカロリー(ご飯1膳150グラムとすると252キロカロリー)、ゆでうどんは105キロカロリー(1玉240グラムでは252キロカロリー)です。同じ量で比較すると、餅はカロリーが高いですが、1食分と考えると、角餅は2個程度で適量といえそうです」
Q.「餅を食べると太る」イメージがありますが、これは事実でしょうか。
岸さん「カロリーオーバーになってしまいやすい食べ物ということはいえると思います。同量の白米よりもカロリーが高いということ、やわらかくて食べやすい餅は、一度に食べる量が1個や2個だけではなく、3個、4個とすぐに何個も食べられてしまうためです。
また、お汁粉やきなこ餅のように甘いものと組み合わせたり、お雑煮やうどんに入れておかずにしたりするなど、味付けによって、おやつにも食事にもできるため、飽きずに食べられることや、トッピングによるカロリーも加算されること、また、調理法によっては食事全体の栄養バランスが崩れてしまいやすい点も挙げられます。
さらに、餅だけを食べてしまうと、血糖値が急激に上がりやすく、余った糖質は脂肪として蓄えられやすくなります。加えて、お正月の時期は体をあまり動かさないことも多く、太りやすさに拍車をかけてしまうことで、『餅は太る』というイメージにつながっているのかもしれません」
Q.栄養素的な観点からみて、餅と組み合わせて食べるとよい食材はありますか。
岸さん「シンプルに焼いた餅にのりを巻く食べ方がよいです。のりは食物繊維やマグネシウムなどのミネラルを含むので、血糖値の上昇を緩やかにし、糖の燃焼を高めてくれます。また、『大根おろし餅』は、ダイコンの辛み成分が消化酵素の働きをサポートし、新陳代謝を促す効果や、食物繊維により血糖上昇を抑制し、腸内環境を改善する効果が期待できます。
お正月の定番である雑煮も、野菜やキノコを入れて具だくさんにすると、1品でビタミンやミネラルなどのバランスが取りやすくなります。野菜やキノコの食物繊維の効果で、大根おろしやのりと同様に血糖値の上昇を抑えることもできます。鶏肉などを入れれば、タンパク質も一緒に摂取できますね」
Q.餅を食べる際のポイントや注意点は。
岸さん「餅をメインとして食べてしまうと、カロリーや糖質をどうしても取り過ぎてしまいがちです。ご飯や麺類など、他の主食のカロリーを大まかにでも把握・比較して、食べ過ぎないようにしましょう。食べる個数は1日2個程度を目安にしてください。
そして、餅単品ではなく、野菜を多めに取りつつ、肉や魚も一緒に摂取できる献立がよいと思います。全体のバランスを取ることを意識しながら、季節の行事やお料理を楽しみましょう」
(オトナンサー編集部)
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