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KDDIの大規模通信障害 復旧作業中の社長会見は適切だった? 広報のプロに聞く

KDDIの広報に問題は?

Q.KDDIで通信障害が発生後、詳細な情報がなかなか発表されなかったため、ネット上では「アナウンスが不十分だった」という声も出ました。通信障害発生後のKDDIの広報に問題はなかったのでしょうか。

山口さん「今回の通信障害の最大の問題点だったと思います。ホームページに情報を掲載すれば、周知できるなどと考えるのは、企業側のおごりでしかありません。また、ネット上で情報を公開する場合、企業は発表後のあらゆるリスクを想定し、最低限の情報しか提供しない傾向がありますが、それは国民や利用者にとって何の役にも立ちません。先述のように、通信障害の発生当初に、広報や危機管理担当の役員が記者会見をすべきでした。

記者会見のメリットの一つは、国民の知りたい点を記者が代弁して聞いてくれることです。ネット上での告知とは違い、会見に出席したメディア関係者は、テレビや新聞、雑誌、ネットなどを通して積極的に情報を拡散してくれます」

Q.事故などの発生当初は、社長ではなく、まずは広報や危機管理担当の役員が記者会見を実施すべきということですが、企業のトップが記者会見を一切実施しない、あるいは実施のタイミングが遅いと、ネット上では批判が集中する傾向にあります。事故や不祥事があったときに、企業のトップによる記者会見を行うのに適切なタイミングについて、教えてください。

山口さん「『記者会見はトップによる一度きりの会見』と考えた場合、会見の適切なタイミングについて、今回のように賛否両論の意見が出てきます。

ずいぶん昔の話ですが、国内で発生した航空機事故に関する記者対応に立ち会ったことがあります。事故発生直後、航空会社は、広大な記者会見場を24時間、それも1週間以上、記者やビデオクルーに開放し、1時間ごとに、広報担当者によるブリーフィング(状況説明)を行い、節目ごとに技術担当、旅客担当、営業担当などの役員が会見を行いました。社長の会見は、事故直後ではありませんでしたが、記者からは遅過ぎるという批判はなかったと思います。

事故の場合、会見はできる限り何度も行うというセオリーがあります。それに従えば、企業のトップによる会見の適切なタイミングは、おのずと決まってきます」

(オトナンサー編集部)

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山口明雄(やまぐち・あきお)

広報コンサルタント

東京外国語大学を卒業後、NHKに入局。日本マクドネル・ダグラスで広報・宣伝マネージャーを務め、ヒル・アンド・ノウルトン・ジャパンで日本支社長、オズマピーアールで取締役副社長を務める。現在はアクセスイーストで国内外の企業に広報サービスを提供している。専門は、企業の不祥事・事故・事件の対応と、発生に伴う謝罪会見などのメディア対応、企業PR記者会見など。アクセスイースト(http://www.accesseast.jp/)。

コメント

1件のコメント

  1. 今回の会見の開催時期は総務省から急かされて仕方なく早くやらされたんでしょう?
    なんでも批判すれば良いものじゃないよ