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ゴールデンウイーク、お金使い過ぎて後悔…苦しくなった家計の回復法をFPに聞く

3年ぶりの移動制限をないゴールデンウイークに、これまで我慢していた反動から「お金を使い過ぎた」という人もいると思います。そうしたときの家計の回復法とは?

ゴールデンウイークにお金を使い過ぎたときの回復法とは?
ゴールデンウイークにお金を使い過ぎたときの回復法とは?

 3年ぶりに移動制限がないゴールデンウイークとなり、遠くまで旅行したり、実家に帰省したりした人も、多いのではないでしょうか。しかし、中には今まで我慢していた反動で、宿泊先や食事、お土産を奮発してしまい、「お金を使い過ぎた…」と後悔しているケースもあると思います。思いがけずお金を使ってしまう気持ちもよく分かりますが、後悔してもお金は戻ってきません。ゴールデンウイークに思いがけず出費がかさんだとき、どのようにリカバリーしたらよいのか、ファイナンシャルプランナーの長尾真一さんに聞きました。

即効性なら「変動費」の見直し

Q.今年のゴールデンウイークに、思いがけず出費がかさんだとき、どのようにリカバリーしたらよいのか教えてください。

長尾さん「使ってしまったお金は戻ってきませんので、これから出費を抑えるしかありません。そのためには、家計の中でどこを節約するか決める必要があります。効果が大きいのは固定費の見直しで、例えば家賃、通信費(携帯料金やWi-Fi料金など)、保険料、さまざまなサブスクサービスなど、毎月、一定額が必ずかかる費用です。

ただし、固定費の見直しには手間や時間がかかる場合も多いので、一時的に出費がかさんだときのリカバリーの手段としては、変動費の節約の方が即効性はあります。変動費とは、食費やレジャー費、交通費・ガソリン代など、毎月変動する費用です。

変動するということは、節約さえすればすぐに効果が出ます。『今月は外食を減らそう』『遠出を控えて交通費を抑えよう』といった節約のターゲットを決めることから始めてみてはいかがでしょうか。

また、休日に暇を持て余すとついお金を使ってしまいがちなので、近所を散歩したり、図書館で借りた本を読んだり、お金のかからない趣味や楽しみも持っておくとよいと思います」

Q.旅行などでお金を使ってしまいそうなとき、使い過ぎないようにする対策として、事前に何ができるでしょうか。

長尾さん「旅行など一時的にまとまったお金がかかるイベントがあるときは、なるべく事前に予算計画を立てた方がよいでしょう。旅行なら、交通費や宿泊費、レジャー施設の入場料などは事前に計算することができます。その上で、旅行中の1日当たりの予算を決めてから旅行の計画を考えれば、想定外の使い過ぎは防げる可能性が高くなります。

『そんなの面倒くさい』『旅行は行き当たりばったりの方が楽しい』という人もいると思いますが、実際に旅行の計画を立ててみると案外楽しいものです。もちろん、必ず計画通りに行動しないといけないわけではなく、現地に行ってからおいしそうなお店や、楽しそうな場所を見つけたときは予定を変更して構いません。

ただ、事前に予算計画を立てておけば、計画を変更したときに頭の中ですぐに費用の計算もできるので、使い過ぎは防げるはずです。なお、定期的に旅行に行く人は、毎月少しずつでも旅行費の積み立てを家計に組み込んでしまった方がよいでしょう。使った後で一度にまとめて支払うよりも、使う前に積み立てて支払う方が家計は安定します」

Q.事前に出費を計画していた場合でも、旅行先では気分が開放的になり、食事など価格が高くても「ま、いっか」と出費してしまいがちです。旅行先で予定よりもお金を使い過ぎないためのコツを教えてください。

長尾さん「先述したように、事前に予算計画を立てておけば、『このくらいなら大丈夫』『これは使い過ぎになりそうだから我慢しよう』という意識が働くので、無駄遣いを防げる可能性は高くなるはずです。

可能であれば事前に予約しておくと、コース料理などであれば飲み物以外の金額は決まりますし、人気店でも並ばなくていいので時間の無駄もなくなります。また、ずっと節約のことばかり考えていると窮屈で楽しめないので、ランチは節約して、その分、ディナーは少しぜいたくをするといったメリハリをつけることも大事です。

食事よりもアクティビティーを楽しみたい人は、食事は節約してアクティビティーに節約したお金をかけるなど、自分にとって充実させたいポイントと節約してもいいポイントを分けておくとよいでしょう」

Q.人は、お金を使い過ぎて痛い目に遭っても、時間が経過するとまた同じことを繰り返しがちです。日常的に、思いがけない出費をしないために、身に付けておくとよいことを教えてください。

長尾さん「旅行中に使ったお金を、スマホのメモなどでも構いませんので、何にどれくらいの金額を使ったか記録に残しておくことをお勧めします。特に、『想定外の出費』や『使った後で、悔やんだ出費』があれば、書き残すことで次回の注意喚起になり、同じことを繰り返さなくて済みます。

日常でも、使ったお金に意識を向けることは大事です。お金を浪費しがちな人は、無意識のうちに使ってしまったお金から目を背ける傾向があります。できれば、家計簿を付けることがベストです。

そうでなくても、例えばレシートを捨てずに保管しておく、クレジットカードの明細は必ず目を通すということだけでも効果はあるはずです。それを続けていると、自分が浪費しがちなポイントや消費の癖が分かってくるので、次第に無駄遣いは減っていきます。

ただし、思いがけない出費の中には防ぎようがないものもあります。車や家電製品の故障、冠婚葬祭などは自分ではコントロールできません。どんなときでも対応できるように、何にでも使える予備資金を少しずつでも積み立てておくことも必要です」

(オトナンサー編集部)

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長尾真一(ながお・しんいち)

ファイナンシャルプランナー

教育資金、老後資金、万が一に備える保険など、生活に関わるお金の不安を解消し、未来に希望を持って暮らしていくためのお手伝いをする「生活設計のコンシェルジュ」として活動中。Life Design Concierge(http://www.bingo-fp.com)。

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