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ケシの花、勝手に抜いたら「違法行為」で懲役刑になる可能性があるって本当?

春、道端や空き地に薄紫や赤色のかわいらしい花が咲いていることがありますが、もしそれが「ケシ」の花だと、摘むことが違法行為になる可能性もあるようです。

栽培禁止の「アツミゲシ」(左)と栽培可の「ヒナゲシ」(「東京都健康安全研究センター」ホームページより)
栽培禁止の「アツミゲシ」(左)と栽培可の「ヒナゲシ」(「東京都健康安全研究センター」ホームページより)

 春の時季、道端や空き地に、薄紫や赤色のかわいらしい花が咲いていることがあります。思わず摘んでしまう人もいるかもしれませんが、もしそれが「ケシ」の花だと、種類によっては、違法行為になる可能性があるようです。しかも、罰則として懲役刑も定められているとのこと。ケシの花の種類や注意点について、東京都の担当者に聞きました。

栽培禁止ケシを抜くと「所持」に該当

 まず、東京都健康安全研究センター薬用植物園の担当者に聞きました。

Q.ケシは道路沿いや空き地に自生することもあり、4~5月に花を咲かせると聞きます。ケシの花には、栽培が禁止されているものがあるそうですが、種類を教えてください。また、なぜ禁止されているのでしょうか。

担当者「栽培が禁止されているケシは3種類で、『ケシ(ソムニフェルム種)』と『アツミゲシ(セティゲルム種)』と『ハカマオニゲシ(ブラクテアツム種) 』です。

ケシとアツミゲシは、あへんアルカロイドを含んでおり、『あへん法』で、栽培が禁止されています。ハカマオニゲシは、麻薬成分のテバインを含有しているため、『麻薬および向精神薬取締法』で、栽培が禁止されています」

Q.ケシの花の色などの特徴を教えてください。

担当者「栽培が禁止されているものの、自生することがあるアツミゲシ(セティゲルム種)の花の色は、薄紫や赤色です。また、海外から国内に種が持ち込まれて違法に栽培されるケシ(ソムニフェルム種)は、赤、桃、紫、白色などがあります。

違法ではないケシには、ヒナゲシやアイスランドポピーなどがあります。ヒナゲシは赤色の花、ナガミヒナゲシはオレンジ色の花、アイスランドポピーは赤、黄、白色などの花です」

 次に、東京都福祉保健局健康安全部の担当者に聞きました。

Q.栽培禁止ケシを見分けるポイントは。

担当者「栽培禁止ケシは『茎に毛が生えていないか、少ない』『葉が茎を包み込んでいる』などの特徴があります。一方、禁止されていないケシは『茎に毛が生えている』『葉が茎の下部から出ている』といった特徴があります。

詳しい見分け方とそれぞれの写真は、東京都のホームページ(「不正なケシの見分け方」)で見ることができます」

Q.自生しているケシや、知らずに栽培していた花がケシだと気づいたとき、「抜かずに、都道府県の薬務担当部署まで通報を」とよく言われますが、なぜ「抜かずに通報」なのでしょうか。自分で抜いて処分すると、どういった問題があるのでしょうか。

担当者「栽培禁止ケシを抜いたものは、あへん法で規定する『けしがら』に該当します。あへん法でいう『けしがら』とは、『けしの麻薬を抽出することができる部分(種子を除く)』と規定されており、『けしがら』を所持することは禁止されています。けしがらの不法所持は、7年以下の懲役になる可能性があります」

Q.通報・除去される違法栽培ケシはどのくらいありますか。

担当者「都内で発見・除去した栽培禁止ケシの本数は、2021年度は5249本です。東京都のホームページに『過去の不正大麻・けしの発見除去件数』を掲載しています。その除去件数は、自生していたものと、不正と知らずに観賞用として栽培されていたものなどの合計です」

Q.もし知っていて栽培していた場合はどうなりますか。

担当者「あへん法などで罰せられることがあります」

 都内で自生しているケシ(違法ケシ)の花を発見した場合、自分で抜かずに、東京都薬務課か、最寄りの警察署に連絡してほしい、とのことでした。

(オトナンサー編集部)

【画像】「不正なケシ」の見分け方 3つのポイント

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