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ずさんな引き継ぎ、問題山積…「立つ鳥跡を“濁す”」退職者に対する3つの心構え

【心構え1】退職決定後、冷たくするのは避ける

 退職者が「飛ぶ鳥跡を濁さず」の気持ちになるには、何かネガティブな原因があって会社を辞めるのだとしても、会社に何らかの恩義を感じていなければならないでしょう。つまり、退職者がそういう恩義を感じるようなことを、会社側から実際にしてあげなくてはならないということです。

 残念ながらよくあることですが、退職が決まったからといって急に冷遇したり、揚げ足を取るようなことをして懲戒にしたり報酬を下げたりしているようでは、恩義など感じるわけもなく、むしろ恨みが募るばかりです。そんなことをしていると、残る社員たちの側も「会社は人に冷たい」と思い、次の退職者への影響も大きいでしょう。

【心構え2】心の底からポジティブに送り出す

 ですから、退職が決まっても、退職者への態度を変えないことです。むしろ、「これまで本当にありがとう」「残ってほしかったけれども、会社があなたの希望を満たせる場でなくて申し訳ない」という感謝やおわびの気持ちを持つべきです(たいていの退職は、会社にも何らかの非はあるでしょうから)。

 退職者に言いたいこともあるかもしれませんが、120%ポジティブに送り出しましょう。また、去る人への批判なども言ってはいけません。フラットに退職理由を振り返ることは必要ですが、限られた責任者内でやればよいことです。

【心構え3】それでもダメなら「わが身の不徳」

 そこまですれば、多くの人は「いろいろあったけれども、そう言えば少しは恩義もあったなあ。世界も狭いことだし、『飛ぶ鳥跡を濁さず』でちゃんと引き継ぎをしよう」と思ってくれるのではないでしょうか。

 もし、そこまでしても難しければ、もう、残った人で後始末をするしかありません。その場合も、退職者を責めるより、わが身の不徳を振り返ることが、前向きな姿勢ではないかと思います。

「そういう常識のない人を採用してしまった」のか、「大切にしてもらったという恩義を感じないような対応をしていた」のか、いずれにせよ、それも根本的には会社の問題です。他責ではなく自責と捉えて、改善していくことで、「跡を濁される」ようなことは、徐々になくなっていくと思います。

(人材研究所代表 曽和利光)

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曽和利光(そわ・としみつ)

人材研究所代表

1971年、愛知県豊田市出身。灘高校を経て1990年、京都大学教育学部に入学し、1995年に同学部教育心理学科を卒業。リクルートで人事採用部門を担当し、最終的にはゼネラルマネジャーとして活動した後、オープンハウス、ライフネット生命保険など多様な業界で人事を担当。「組織」「人事」と「心理学」をクロスさせた独特の手法を特徴としている。2011年、「人材研究所」を設立し、代表取締役社長に就任。企業の人事部(採用する側)への指南を行うと同時に、これまで2万人を超える就職希望者の面接を行った経験から、新卒および中途採用の就職活動者(採用される側)への活動指南を各種メディアのコラムなどで展開している。著書に「定着と離職のマネジメント『自ら変わり続ける組織』を実現する人材流動性とは」(ソシム)など。

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