オトナンサー|オトナの教養エンタメバラエティー

食事後に「つまようじ」使っていますか? 頻度や使い方は? 2000人調査、歯科医師の見解も

食後、「つまようじ」を使う人はどれくらいいるのでしょうか。そして、正しい使い方とは。アンケート結果と専門家の見解を紹介します。

飲食の場面に欠かせないつまようじ
飲食の場面に欠かせないつまようじ

 食事後、歯の間に詰まった食べかすを取るために使われる「つまようじ」。飲食店のテーブルに置かれていたり、コンビニやスーパーで弁当を購入したときの箸袋の中に入っていたりするなど、飲食の場面ではよく目にします。しかし、つまようじを使うとき、正しい使い方を知る機会もなく、自己流で何となく使っている人も多いと思います。そうした現状で、つまようじは食べかすを取り除くのに有効なのでしょうか。また、自己流の使い方で歯や歯茎を傷めることはないのでしょうか。

 つまようじの使用経験や頻度、使い方についてアンケートを行った結果を分析するとともに、歯科医師の見解を聞きました。

88%が「使う」 ただし、大半は「たまに」

 アンケートは10月19~20日、全国のYahoo! JAPANユーザーを対象に行い、2000人から有効回答を得ました。

「あなたは、食事の後、つまようじを使ったことがありますか」という問いには、88.4%が「ある」と回答。つまようじの使用が日本人に深く根付いているようです。しかし、食事の後、つまようじを毎回使うわけではないようで、「ある」と答えた人にその頻度を聞くと「たまに使う」が87.7%、「毎回使う」が12.3%で、必要なときだけ使っている人が多数派だと分かりました。

 では、つまようじを使ったことが「ある」と回答した人の理由は何でしょうか。「ある」と回答した人の中では、83.7%が「歯に食べかすが残っていると気持ち悪い」との答えが最も多く、続いて、「食べかすが残っているのを人に見られたくない」(11.2%)、「食後の習慣として何となく」(2.4%)の順でした。「歯磨きの代わり」との回答は1.4%と最も低く、歯の汚れを取る方法として、つまようじと歯磨きは別物と考えている人が多いようです。

 一方、つまようじを使ったことが「ない」と回答した人の理由は「人前で使うのが恥ずかしい」が36.7%で最多でした。つまようじを使ったことがある人でも、飲食店では「店内のトイレ」や「店内以外」で使用すると回答した人がおり、人前で使うのはマナー違反との意識を持つ人が、一定程度いるようです。

 使ったことがない人の理由としては、その他にも「食べかすを取る行為が汚い」(31.2%)「つまようじの使い方が分からない」(21.1%)という声があったほか、少数意見では「歯や歯茎によくないと聞いたことがある」「歯間ブラシや歯ブラシを持ち歩いている」などの声がありました。

 使ったことがある人に、つまようじをどのように使っているのか聞いたところ、「食べ物が挟まった部分のみをこする」が79.2%と最も多く、次いで、「歯と歯の隙間をこする」(16.1%)「歯茎と歯の間をこする」(4.6%)という結果となりました。一方、使ったことがない人は「食事の後、歯磨きをする」(54.6%)「飲み物で流そうとする」(31.4%)「放っておく」(14.0%)となり、歯磨きをするか、飲み物で流すかのいずれかの方法で対処する人が多いようです。

 また、飲食店やスーパーなどでもらえる割り箸の袋に入っているつまようじについては「必要」が39.4%、「不要」が35.9%、「どちらとも言えない/分からない」が24.8%となりました。

歯科医師の見解は?

 つまようじが歯に挟まった食べかすを取ることに有効なのか、使い方によって、歯や歯茎に悪影響を与えないのかなどについて、歯科医師の中村貢治さんに聞きました。

Q.アンケートでは、ほとんどの人がつまようじを使ったことがあり、使う理由は「食べかすが残っていると気持ち悪い」と回答する人が圧倒的でした。つまようじは歯磨きと同じように、歯に挟まった食べかすを取り除くことに有効なのでしょうか。

中村さん「食後は本来、歯磨きをしたり、後ほど説明する歯の専用アイテムを使ったりするのが理想的なのですが、そうしたことができない場合の代用として、つまようじは歯に挟まった食べかすを取り除くことに有効だと思います。食べかすや歯の汚れを取り除く主要な手段は歯磨きですが、つまようじは先端がとがっているので、歯の間に詰まった汚れを取り除く“補助道具”として使えます」

Q.アンケートでは、つまようじを使うとき、「食べ物が挟まった部分のみをこする」という人が最も多い結果でした。この使い方は正しいのでしょうか。

中村さん「基本的には『食べ物が挟まった部分のみをこする』という、つまようじの使用法で問題はないと思います。ただし、食事の後はほぼ全ての歯の間に小さな食べかすが詰まってる可能性が高いです。挟まった部分のみをこするのではなく、全ての歯をこすっても問題ありません」

Q.他にも「歯茎と歯の間をこする」「歯と歯の隙間をこする」というつまようじの使い方をしている人がいます。これらの使い方は正しいのでしょうか。

中村さん「これらのつまようじの使い方は正しいと言えば正しく、正しくないと言えば正しくないと言えます。その理由は、ものが挟まる、もしくは詰まる部位によって、つまようじの使用法が異なるからです。歯と歯の間に詰まった、もしくは挟まった場合は『歯と歯の隙間をこする』が正しい使い方になりますが、歯と歯茎の隙間にものが詰まる、もしくは挟まった場合は『歯と歯茎の間をこする』が正しい使い方となります」

1 2

中村貢治(なかむら・こうじ)

歯科医師

神奈川歯科大学大学院時代、NASAでの宇宙実験で博士号を取得。その後、神奈川歯科大学放射線学教室医局長、大学講師を経て、中村歯科医院を開業。現在は一般社団法人小倉歯科医師会理事、一般社団法人福岡県歯科医師会部会部員など、診療だけでなく社会活動にも従事。中村歯科医院ホームページ(https://www.nakamura-ct-dc.com/)。

コメント