オトナンサー|オトナの教養エンタメバラエティー

「便座」上げたままの男性に怒る女性…そもそも上げたまま流してOK? 手入れ法も解説

男性の中には、男女共用トイレの使用後も「便座」を上げっ放しにする人がいますが、そのことに不満を感じる女性も多いようです。便座やふたを上げっ放しの状態でトイレを使用した場合、何か影響はあるのでしょうか。

トイレの便座やふたは閉めるべき?
トイレの便座やふたは閉めるべき?

 男性のトイレの使い方に不満を感じる女性も多いようです。例えば、住宅や飲食店などの男女共用トイレの使用時に「便座」を上げて用を足す男性がいますが、中には使用後、便座を下げずに水を流して、そのままトイレから出る人もいて、ネット上では「便座を上げたままにする男は許せない」「トイレを使ったら便座を下げて」「男女兼用トイレで便座が上げっ放しなのは不快」「(便座が上げっ放しだと)便座を触らなきゃいけないので不潔」などの意見が出ています。

 そもそも、トイレの使用後は便座を上げたまま、水を流してもよいのでしょうか。トイレを使うときの注意点や手入れ方法について、便器などの製造を手掛けるTOTO(北九州市)広報部本社広報グループ、山崎明子さんに聞きました。

閉めた方が節電にも

Q.男性には便座を上げて用を足す人もいますが、中には便座を上げた状態のまま水を流し、そのままトイレから出る人もいます。トイレで水を流す際は便座を下げた後、便ふたを閉じてから水を流した方がよいのでしょうか。それとも、便座を上げたまま水を流しても問題ないのでしょうか。

山崎さん「便座を上げたまま、もしくは便座が下がっていて、便ふたが開いた状態で水を流しても、健康や製品の機能の面で特に問題はありません。当社として推奨しているわけではありませんが、水を流したときに水の飛散が気になるようであれば、便ふたを閉めてから水を流した方がよいと思います。また、用を足すとき以外は便ふたを閉めていた方が見栄えもよく、便器の中に誤って物を落とす心配もありません。

このほか、温水洗浄便座を取り付けている場合は、ふたを閉めた方が便座の熱が逃げにくくなるため節電につながります」

Q.水を流すとき、便ふたは閉めなくても問題ないとのことですが、ではなぜ、便ふたが取り付けられているのでしょうか。また、商業施設のトイレの中には便ふたがないトイレもありますが、なぜでしょうか。

山崎さん「水洗設備がなかった時代、臭いをふさいだり、体裁をよくしたりするためにふたが必要だったことが背景にあります。しかし、水洗設備が整った現代日本のトイレでは、便ふたは必ずしも必要な物ではありません。

欧米ではもともと、便器(おまる)の周りを囲って椅子のようにしていたものもあり、椅子の座面が便座のふたになっていたようです。また、欧米のトイレは風呂や洗面台と一緒に『バスルーム』といわれます。ここでは、水回りのことから身繕いまでさまざまなことをするため、便器はちょっと座って化粧をしたり、靴のひもを結んだりする役目もあったようです。

商業施設に便ふたがないトイレがあるのは、車いすやつえを使用する人の利用も考慮し、そういった人たちがふたの開閉をしなくてもトイレを使用できるようにするためです。また、ふたをなくすことで、トイレのとき、姿勢を保つことが難しい人が寄りかかれる背もたれの設置も可能となります」

Q.トイレの適切な掃除頻度やきれいさを維持するコツについて教えてください。また、トイレを使用中、小水が便座に付着することもあるかと思いますが、そのときにトイレットペーパーで拭き取っても問題ないのでしょうか。

山崎さん「適切な掃除頻度は特にありませんが、トイレのきれいさを保つコツは、汚れに気付いた人がその場で掃除をすることだと思います。つまり、汚れがたまる前の『汚れになる前の掃除』がポイントです。便器、便座、便ふたに付着した汚れ、床などに飛び散った小水、便器に隣接するタンク表面の結露は気が付いた段階で、すぐに拭き取ることをおすすめしています。

なお、便座本体や便ふた、温水洗浄便座に付属するリモコンなどプラスチックでできた製品を拭くときは、水気を十分に絞った柔らかい布かウエット雑巾で拭くことを推奨しています。乾いた布やトイレットペーパーで拭くとプラスチックが傷つく可能性があるので、おすすめしません」

Q.洗剤を使って便器の内側を洗う目安やそのときの注意点について教えてください。

山崎さん「便器の内側の汚れが気になり始めたら、トイレ用の中性洗剤を使って掃除をしましょう。特に便器の縁(ふち)の裏は汚れがたまりやすいので、中性洗剤を付けたトイレ用のブラシでしっかりこすり洗いをします。トイレ用のブラシでは縁の裏をうまく洗えない場合、靴用のブラシを使って優しく洗ってください。縁の裏に洗い残しがあると頑固な黄ばみや黒ずみの原因となります。

洗剤を使って便器を掃除するときはゴム手袋を着用しましょう。また、洗剤は混ぜて使わないでください。特に塩素系の洗剤と酸性の洗剤を混ぜると塩素ガスが発生し、危険です。研磨剤入り洗剤や業務用の強酸性洗剤・強アルカリ性洗剤は便器の素材である陶器の表面を傷つけたり、侵したりする恐れがあるため使用しないでください」

Q.トイレの使用中に突然、便座が割れてしまうこともあるようです。どういう原因で割れるのですか。また、便座が割れた場合、すぐに交換した方がよいのでしょうか。それとも、割れた部分を粘着テープなどで補強して使い続けても問題ないのでしょうか。

山崎さん「便座が割れる原因としては、便座に想定外の荷重がかかったことや長期間の使用によるプラスチックの劣化などさまざまなことが考えられます。例えば、温水洗浄便座を取り付けていて、便座が割れた後もそのまま使用を続けると、火災や感電などの思わぬ事故やけがにつながる恐れがあります。温水洗浄便座の異常に気付いた場合は、すぐに電源プラグを抜き、止水栓を閉めて使用を中止し、すぐメーカーに問い合わせてください」

(オトナンサー編集部)

コメント