ユヌス博士のソーシャルビジネスを具現 「YYContest2017」の優勝チーム決まる
ソーシャルビジネスの普及・啓発を目指す「YYContest2017」本選審査が行われ、学生部門と社会人部門の優勝チームが決定しました。両チームは11月にパリで行われる国際会議に参加します。

ビジネスを通じて社会的課題を解決する、ソーシャルビジネスの普及・啓発を目指す「YYContest2017」本選審査が10月21日、笹川平和財団ビル11階国際会議場(東京都港区)で開催され、学生部門は「team ACT」(創価大学)、社会人部門は「ソンリッサ」が優勝しました。
6チームが8分間のプレゼンテーション
YYContestは「Yunus&Youth Social Business Design Contest」の略称。グラミン銀行創設者でノーベル平和賞受賞者のムハマド・ユヌス博士が提唱する「ユヌス・ソーシャル・ビジネス」を具現化するため、九州大学ユヌス&椎木ソーシャルビジネス研究センターが2012年から主催しています。ミッションは「社会課題解決に興味を持つ若者達に対してユヌス・ソーシャル・ビジネスの価値を伝え、個々のアイデアをビジネスプランまで昇華するサポートをすることで、本気で事業化を目指す人物を一人でも多く輩出する」。
本選審査員は、佐竹右行(株式会社グラミンユーグレナCO−CEO)、藤沢久美(シンクタンク・ソフィアバンク代表)、菅正広(グラミン日本準備期公理事長)、佐分利応貴(笹川平和財団安全保障事業グループ長)、中川恭志(Touch Asia Group CEO)、岡田昌治(九州大学SBRCエグゼクティブディレクター)の6氏。予選を突破した学生部門の2チーム、社会人部門の4チームが各8分間のプレゼンテーションで競いました。
学生部門優勝の「team ACT」は「運動」「脳トレ」「食事」の3つからなる認知症予防アプリ「すもあ」を提案。楽しみながら使える点や利用者に合わせてカスタマイズする点が評価され、見事に栄冠を手にしました。「ひとり小藪」(法政大学)は、特例子会社と親会社との交流を図る「企業対抗ボッチャ大会」を実施しました。
社会人部門優勝の「ソンリッサ」は、身体的や地理的な理由から他者とコミュニケーションが取れない高齢者と活動的なシニアをマッチングし、ビデオ通話を活用した会話型見守りを行うサービス「EMOTOMO」を提案。「Heimo Japan」は、先進国の中でも自殺者の多い日本の課題を解決するために、誰もがSOSを出せるSNSを考案しました。
「BUI」は、買い手が作り手の畑に取りに行く地産地消ネットワーク「ありがとうのカタチ」を提案。「ヒューマンアルバ」は「再犯のない、皆が笑って生きられる社会を創る」をミッションに、依存者の社会復帰に必要な支援がワンストップで受けられる総合施設を立ち上げています。
同センターのフィッシュ明子さんは、本選を次のように総括します。
「審査員とのプロフェッショナルな質疑応答について、出場者のみならず観覧者からも、『大変参考になった』という反応を多く頂きました。どのチームの社会課題も重要であり、若者が真剣に取り組む姿に未来を感じました。社会を良くするビジネスの持続に必要な専門的支援がセンターの役割。来年もたくさんのエントリーをお待ちしています」
なお、優勝した2チームは、11月4日からパリで行われる世界最大のソーシャルビジネスの国際会議「Global Social Business Summit」で表彰され、「Young Challengers Meeting」で世界中の若者を前にプレゼンを行います。
(オトナンサー編集部)
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