「うそ」をつくのが上手なのは男性か、それとも女性か
悪いこととは理解していても、誰もがついてしまう「うそ」。その状況や目的はさまざまですが、性別という観点で見ると、うそをつくのがうまいのは男性でしょうか、それとも女性でしょうか。専門家に聞きました。

皆さんの中で「うそ」を一度もついたことがない人は、恐らくいないはずです。男女のコミュニケーションにおいても、うそは大きなテーマとして取り上げられることが多く、「男性はうそをつくのが下手」ともよく言われます。実際には、うそをつくのがうまいのは男性でしょうか、女性でしょうか。
オトナンサー編集部では、対話によってうそを見抜く「人狼ゲーム」研究の第一人者で、東京福祉大学心理学部講師の丹野宏昭さんに聞きました。
あらゆる生物はうそをつく?
そもそも、なぜ人はうそをつくのでしょうか。丹野さんによると、人間を含むさまざまな生物は何らかの形でうそをついています。
「たとえば、タヌキなどの動物は危険に遭遇すると『死んだふり』をします。また、昆虫や魚などの小動物も『擬態』によって外敵から身を隠しますが、これらも広く捉えれば、うその一種です。人間以外の動物は、自分の生命を守るためにうそをついていると言えるかもしれません」(丹野さん)
一方で、人間は普段の生活で得をするためにうそをつくことが多いといいます。
「たとえば、『自分は有名人の△△と友達だ』などのうそは、周囲の評価が上がる可能性があるため、自分が利益を得るためのうそと言えます。また、本当は寝坊で遅刻したのに『道に迷っていた人を手助けしたから遅れた』などとうそをつくのは、自分を守り、不利益を避けるため。また、本当はそう思っていないのに相手を褒めるなど、人間関係を円滑にするためのうそもあります」
ほかにも、他者を慰めたり、かばったりするためのうそも。このように人間は、自分の利益の獲得や不利益の回避、円滑なコミュニケーションや他者への気遣いのためにうそをつくことが多いのです。
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