困窮者に忍び寄る新ヤミ金「給料ファクタリング」、何が問題? そもそもファクタリングとは?
まずは公的支援制度の活用を
Q.ほかにも、この時期に注意すべき詐欺的商法があれば教えてください。
牧野さん「新型コロナとは直接関係はありませんが、金融庁が悪質な業者の例として挙げている中で、個人が引っかかる恐れがある詐欺的商法は次のようなものです」
【買い取り屋】
融資の条件としてクレジットカードで商品を次々と買わせ、それらを定価以下の安い金額で買い取るか、または、さらに高金利で融資する。申込者には業者への借金のほか、クレジット会社への債務が丸々残る。
【名義貸し】
「消費者金融会社の調査」などの名目で、「お金を借りるだけのアルバイト」と称して消費者金融会社から金銭を借り受けさせ、一定のアルバイト料を支払った上で「返済はこちらでやっておく」と発行されたカード(暗証番号も)もろとも金銭をだまし取る。集まったお金とカードで返済と借り入れを繰り返すため、返済が行われている間は発覚せず、長期間だまされていることに気付かない。
Q.ファクタリングによる被害の実例・裁判があれば、ご教示ください。
牧野さん「給与ファクタリングではありませんが2017年1月、ファクタリングを装ったヤミ金融業者の全国初の摘発事例がありました。大阪府警が貸金業法違反(無登録営業)の疑いで、東京都中野区の2業者を摘発し、元経営者ら8人を逮捕しています。ファクタリングを装いながら、実態は売掛債権を担保に高金利貸金を行っていたとみて、出資法違反(法定超高金利)容疑でも捜査が行われました」
Q.新型コロナウイルスの影響による失業などで、手元のお金がどうしても足りないというときは、どうすればよいのでしょうか。
牧野さん「市区町村社会福祉協議会が窓口となっている『緊急小口資金』『総合支援資金』などの貸付制度があります。ほかにも公的支援制度がいろいろあり、電気、ガス、水道料金など公共料金の支払い猶予も行われているので、それらの手続きをして出費を抑えることも検討しましょう。
それでも足りずにもし、消費者金融などからお金を借りる場合は、合法的な業者は出資法の20%を上限としているので、それを超える利息を取る違法業者を利用しないよう、十分に注意してください」
(オトナンサー編集部)
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