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新型コロナ禍で「内定取り消し」「解雇」…どうしたらいい?【就活・転職の常識を疑え】

就活や転職のさまざまな「常識」について、企業の採用・人事担当として2万人超の面接をしてきた筆者が解説します。今回は「もし、コロナ禍で内定取り消しや解雇に遭ったら」です。

内定取り消しに遭ったら?
内定取り消しに遭ったら?

 新型コロナ禍によって大きく景気が後退するという予測の中、新卒採用予定者の内定取り消しや採用活動の中止などを行う企業が増えています。

 最近、入社直前に内定取り消しの通知が来て困惑している人が出ているとの報道がありました。さらに、今後もリストラなどがあり得ることを考えると、今春、無事入社できた新入社員に対しても、休業指示や解雇が発生する可能性もあります。大学を出たばかりの人にとって、そうした状況に陥る可能性があるということは、とても不安なことだと思います。

 そんなとき、何ができるのか。企業の採用・人事担当として2万人超の面接をしてきた筆者が解説します。

「コロナ時代」にも強い業界を探す

 万が一、自分の身に内定取り消しやリストラなどが降りかかってきたとき、最初にすべきことは「コロナ時代においても強い業界」で仕事を探すことです。例えば、社会の基礎を担うインフラ系業界はどんなときも、いや、危機だからこそ必要です。

 例えば、インターネットのトラフィック(通信回線上のデータ量)は、先の2月から3月で40%も増えたとのことでした。通信インフラを支えるようなインターネットサービスプロバイダーや通信キャリア、その関連業界は、いろいろやることが増えて人手不足になっています。

 また、どんなときも人間は食べ物なしでは生きられません。外出自粛が求められる中、フードデリバリー業界も活況で人手が足りません。例えば、宅配ピザチェーンのドミノ・ピザジャパンは4月から6月で5200人の従業員採用を予定しています。

 他にも、在宅の際に利用するようなものを買う、いわゆる「巣ごもり消費」関連の業界も伸びています。ゲームや自宅でのトレーニンググッズ、入浴剤、アロマなど、いろいろあります。そして、それを販売するネット通販も活況で、これは米国の例ですが、アマゾンは10万人の採用を進めています。日本でも同様のことが起きるでしょう。

オンラインで活用できるスキルを身に付ける

 上述のような業界に入ることができれば、取りあえずは一件落着ですが、なかなかそうもいかない人もいるでしょう。そもそも、仕事は「ともかく何でもやれればいい」というものでもありません。自分がやりたいことが「コロナ時代に強い業界」の仕事ではない場合もあります。

 そんなときは、現在、業種を問わずに進んでいるテレワーク(リモートワーク、在宅勤務)でも活用できるスキル、必要なスキルを身に付ける努力をすることです。厳しい就職・転職活動の中で勉強もするというのはモチベーション維持が大変ですが、さまざまな企業がテレワークへシフトしている現状では、「オンラインでの仕事はちょっと…」という人は敬遠されていくかもしれません。

 例えば、「エクセル」「ワード」「パワーポイント」といったビジネス用ソフト、「Teams」などのオンライン会議ツール、あるいは動画編集ソフトが使える人は今後さらに重宝がられることでしょう。当社でも、オンラインセミナーを行うために今更ながら、社員に動画編集ソフトのスキルアップをしてもらっています。

 また、リアルな場でのコミュニケーションが制限される中では、ネット上でのコミュニケーションにたけている人は、今まで以上に価値が上がっていくと思われます。今からでも遅くはないので、SNSやブログをきちんとやり始めましょう。「きちんと」というのは友人相手の緩い使い方ではなく、自分の考えや主張をまとめて発信する場として使って、不特定多数の人に対してアピールしていくということです。

 これらはすべて自宅でできることですので、就職・転職活動中、家で時間があるのであれば、ぜひチャレンジしてみてください。

大学を頼って、再び「新卒」として活動も

 長く就職・転職活動を続けても、なかなか難しいという場合は、出身大学のキャリアセンターを頼るのも一つの方法です。現在も、多くの大学が卒業生にも相談の門戸を開いています。特に、内定取り消しを受けたような人であれば、つい最近まで在籍していたわけで、キャリアセンターに「学生を採りたい」と言ってきている会社もたくさんあるはずです。

 既卒だからといって、いきなり中途採用の転職市場に参入するのは難しいですし、「入社直前の内定取り消し」「入社直後の解雇」といった事情であれば、新卒扱いにしてくれる会社がほとんどでしょう。キャリアセンターも「卒業したから、はいサヨナラ」ということはないと思いますので、ぜひアプローチしてみてはどうでしょうか。

(人材研究所代表 曽和利光)

曽和利光(そわ・としみつ)

人材研究所代表

1971年、愛知県豊田市出身。灘高校を経て1990年、京都大学教育学部に入学し、1995年に同学部教育心理学科を卒業。リクルートで人事採用部門を担当し、最終的にはゼネラルマネジャーとして活動した後、オープンハウス、ライフネット生命保険など多様な業界で人事を担当。「組織」「人事」と「心理学」をクロスさせた独特の手法を特徴としている。2011年、「人材研究所」を設立し、代表取締役社長に就任。企業の人事部(採用する側)への指南を行うと同時に、これまで2万人を超える就職希望者の面接を行った経験から、新卒および中途採用の就職活動者(採用される側)への活動指南を各種メディアのコラムなどで展開している。著書に「組織論と行動科学から見た 人と組織のマネジメントバイアス」(共著、ソシム)など。

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