王道ソング「サステナブル」と新センターで、AKB48人気は持続するのか
他グループに押されている印象のあったAKB48ですが、新曲「サステナブル」が発売初週でミリオンセラーを達成。背景に「原点回帰」があると筆者は見ます。

アイドルグループ・AKB48の新曲「サステナブル」が発売初週でミリオンセラーを達成しました。このままいけば、今年最も多く売れたシングルになりそうです。
といっても、2010年から、年間シングル1位はこのグループが独占中。ただし、ここ7年間は総選挙の投票権付きシングルがその栄誉に輝いています。今年はその総選挙が行われませんでした。にもかかわらず、この好結果です。乃木坂46や欅坂46に押され気味という印象もある中、意外に感じる人も少なくないでしょう。
世代交代の象徴というべき、矢作萌夏
ではなぜ、もはや老舗というべきAKB48がここへきて健在ぶりを示すことができたのか。その理由は「原点回帰」です。「サステナブル」を見たり聴いたりした人の多くは「ヘビーローテーション」などを思い出し、いかにも「AKB48っぽい」と感じたことでしょう。「日本最古のアイドル専門ライター」として、このグループを草創期から見てきた筆者の友人も、「黄金期珠玉の名品群に」「負けてない」と評しています。
軽快で懐かしいメロディーにのせ、男の子目線の恋心が歌われる世界はまさに、このグループの真骨頂といえます。
とはいえ、楽曲だけ原点に回帰すればいいというものではありません。現在のAKB48に、初期からブレーク期を支えた「神7」はいませんし、その後を担った指原莉乃さんも、今年3月のシングル「ジワるDAYS」を最後に卒業しました。その前のシングル「NO WAY MAN」(2018年11月)でセンターを務めた宮脇咲良さんも、それを機に日韓合同のガールズグループ・IZ*ONEの活動に専念することになります。
いわば、新旧交代の時期と重なったことで、メンバー的にも原点回帰が成功したのです。
その象徴が、17歳の矢作萌夏さん。お披露目から1年半で初のセンターに抜てきされた彼女は、いい意味で自由です。指原さんに「タメ口でいいよ」と言われれば、遠慮することなくタメ口になったり、「好き」のことを「すち」と言う、独自の言葉遣いをアピールポイントにしたりと、早くも個性を発揮しています。NHKの音楽番組「うたコン」では、司会の谷原章介さんに、
「今日は初めての生演奏の披露なんですけど、谷原さんを“すち”にさせられるように頑張りたいと思います」
堂々とあいさつしてみせました。
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