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「青」「白」「赤」で星条旗、トランプ大統領就任式に見るイメージ戦略

TPP離脱などの貿易政策や閣僚人事を巡って早くも、大きな注目を集める米国のトランプ政権ですが、1月に行われた大統領就任式におけるファミリーの衣装も世界の関心を呼びました。そこに隠された意味を専門家が読み解きます。

トランプ米大統領就任式の様子(写真は米ホワイトハウスの公式フェイスブックより)

 米国でトランプ政権が始動しました。環太平洋経済連携協定(TPP)や北米自由貿易協定(NAFTA)など貿易政策をめぐる言動や、閣僚人事に大きな注目が集まっていますが、もう一つ話題になったのが、就任式におけるトランプファミリーの衣装でした。

 そこにはどのような“戦略的意味”が込められていたのでしょうか。

米国の代表であることをアピール

 トランプ大統領は就任式で、紺色のスーツに白いシャツ、おなじみの赤いネクタイ姿という服装でしたが、カラー&イメージコンサルタントの花岡ふみよさんは「星条旗の青(紺色は青系の色)、白、赤を使ったカラーコーディネートは、大統領が自身を米国の代表であることをアピールするには最適な配色」と指摘します。オバマ前大統領も就任式では、紺色のスーツに白いシャツ、赤いネクタイでした。

 花岡さんによると、ファーストレディーとなったメラニア夫人は、米国の大御所ラルフ・ローレンがデザインした水色のワンピースとボレロに同色の手袋という「エレガントなファッション」。娘のイヴァンカさんは白のパンツスーツで洗練さを演出し、その夫のクシュナー氏は濃紺のスーツとネクタイでした。

「つまり、ファミリー全体が青系と白で統一しています。就任演説をするトランプ大統領のネクタイの赤をアクセントカラーとして、青、白、赤の3色でコーディネートし、米国の新大統領ファミリーを強く印象づける心憎い演出でした」

 ちなみに、オバマ前大統領の就任式では、ミシェル夫人は鮮やかな黄色のファッションでした。黄色は黒人であるミシェル夫人の肌によく似合うと同時に、「希望」を意味する色だそう。「米国初の黒人大統領誕生によって、国に希望をもたらす意味を込めていたのかもしれません」。

 政治、とりわけ米国政治にとって「色」が持つ意味は深いようです。

(オトナンサー編集部)

花岡ふみよ(はなおか・ふみよ)

カラー&イメージコンサルタント、株式会社ラピス代表取締役、ラピスアカデミー校長

人と企業をブランディングするカラー&イメージコンサルタント歴25年。似合う色や第一印象術のイメージコンサルティング実績は1万3000人。企業の色彩戦略コンサルティングやセミナー講演、研修、執筆実績も多数。株式会社ラピス(http://www.lapis234.co.jp/)、ラピスアカデミー(http://www.lapis234.com/)、サロン・ド・ラピス(http://www.lapis234.jp/)。

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