オトナンサー|オトナの教養エンタメバラエティー

スマホ「バーコード決済」、コンビニ各社参入で競争激化へ 勝者やサービスの未来は?

若者はバーコード決済を使わない?

Q.バーコード決済の課題は。

渡辺さん「操作が面倒なことです。決済前にアプリを立ち上げなければならないので面倒くさいです。私はバーコード決済をあまり使わず、代わりに『Apple Pay』にひもづけている『Suica』で支払っています。人が多く集まる場所でいかに楽に、スピーディーに決済ができるか、つまり使い勝手が大事だと思います。

先日、慶応義塾大学に講演に行きましたが、出席していた約40人の学生に『QRコード決済を使っていますか』と聞いたところ、『使っている』と答えたのは、わずか3、4人でした。使わない理由を聞いたところ、『銀行口座やクレジットカードを登録するのが面倒くさい』と答えていました」

Q.バーコード決済サービスが増え続けていくと、さらに若者に敬遠されるのでは。

渡辺さん「バーコード決済が面倒くさかったら、そうなるでしょう。『Apple Pay』のような簡単な決済サービスが出てくれば使うようになりますし、電子決済に、『セキュリティーを破られお金が流出したり、プライバシーが盗まれるんじゃないか』『囲い込まれるんじゃないか』という不安があって使わない人もいます。若者は、囲い込まれることに非常に抵抗があるのかもしれません」

Q.それでは、現金は今後も一定の需要が見込まれるのでしょうか。

渡辺さん「近い将来、現金はゼロにはなりませんが、なくなっていく方向になると思います。決済に時間がかかりますし、人手不足で対応が難しくなるからです。私はコンビニで臨時的に働くことがありますが、先日、東京郊外のローソンで夜勤をした際、客の半数以上がクレジットカード、電子マネーなどの電子決済を利用していました。その日の3カ月ほど前に同じ店で働いた際は、電子決済を利用する人は3割ほどで、客の現金離れが進んでいるように感じます。

イメージとしては、ガラケーからスマホに変わっていったのと同じようなスピードで現金がなくなっていくと思います。また、お札は、公衆トイレの便器の10倍ほど汚れているともいわれています。衛生面、効率面を考えても電子決済に移行していくと思います」

Q.電子決済だと使い過ぎの心配がありますが。

渡辺さん「スマホで注意喚起をすれば、むしろ、現金より支出管理ができ、使いすぎなくなると思います。『いくら使っているから注意して』などのメッセージが来れば、無駄遣いが減るかもしれません。電子決済化した方が自分の消費の傾向を分析できますし、その方がお金の管理がしっかりできるようになります」

Q.今後、バーコード決済サービスはどのように変化していくと思いますか。

渡辺さん「先述のように『登録が便利』『使い勝手が良い』『たくさんの人が使っている』サービスが勝ちます。最終的には、銀行系、携帯キャリア系、その他のサービスの3サービスほどに絞られるのではないでしょうか。銀行系では『Bank Pay』か『ゆうちょペイ』、携帯キャリアの場合、勝ったサービスが残るかあるいは全滅。その他のサービスでは、さまざまなサービスがありますが、『LINE Pay』が一歩リードでしょうね。

将来的には、個人の指紋や顔面を使った決済サービスに変わる可能性もあります。すでに中国国内のケンタッキーフライドチキンやカルフールでは、顔面による認証決済が行われています」

Q.現時点でお勧めの決済サービスはありますか。

渡辺さん「サービスの使い勝手は人によって感じ方が違います。いろいろなサービスを試し、自分に合ったサービスを見つけるのがよいと思います。若い人には、キャンペーンなどを活用して『何でも体験してください』と言いたいですね」

(オトナンサー編集部)

1 2 3

渡辺広明(わたなべ・ひろあき)

流通アナリスト、マーケティングアナリスト、コンビニジャーナリスト

1967年4月24日生まれ。浜松市出身。東洋大学法学部経営法学科卒業後、ローソン入社。22年勤務し、店長、スーパーバイザーを経てコンビニバイヤーを16年経験、約700品の商品開発を行う。同社退社後、pdc、TBCグループを経て、2019年3月、やらまいかマーケティング(https://www.yaramaikahw.com/)を設立。同時期に芸能事務所オスカープロモーションに移籍し、オフラインサロン「流通未来研究所」を開設。テレビ、ラジオなどで幅広く活動する。著書に「コンビニの傘はなぜ大きくなったのか」(グーテンブック)「コンビニが日本から消えたなら」(KKベストセラーズ)

コメント