オトナンサー|オトナの教養エンタメバラエティー

夏の定番! 「浴衣」の起源、湯上がり用/外出用の違い、外で着る際の注意点

恥ずかしくない着こなしを

Q.温泉街では「浴衣で湯めぐりを」と勧めている地域もあります。外出用の浴衣と宿泊用の浴衣との使い分けなど、注意点があれば教えてください。

齊木さん「宿により浴衣はさまざまですが、宿泊用は寝間着として、柄が小さく地味な浴衣を置いてあることがほとんどです。ただし、温泉街で『浴衣で湯めぐりを』と勧めている宿では、外出用の浴衣(絵柄が大きく華やかなもの)を別途用意して、柄やサイズを選べるようになっているところもあります。こうした宿に置いてある浴衣は、くつろぐことを前提として作られていますので、一般的に売られている外出用の浴衣と以下の点が異なります。

・衿(えり)は薄く柔らかい
・袖付けにゆとりがある
・袂が短い
・着丈が短い(女性の場合、おはしょりを省略するため)
・帯が柔らかく、簡易的

このように、外出用と宿泊用は絵柄の大きさや上記の作りを意識して区別しましょう。また、宿に羽織が置いてある場合、外出時は夏でも羽織ることをお勧めします。羽織は外出時に格を上げてくれるだけでなく、透けることを防止する役割があります」

Q.「浴衣は外出着じゃない」という人にうまく説明できる方法はありますか。

齊木さん「まずは、湯上がり感覚でしわくちゃな浴衣を身に着けるのではなく、洋服と同じように帯結びもしっかりとして、人さまの前でも恥ずかしくない着こなしをすることが大切です。その上で、昔のように素肌に直接着用する、沐浴(もくよく)時や湯上がり着としての着方ではなく、『下着(ブラやショーツに加え、肌襦袢・裾よけ)を着けて衣服として着用している』ことをお伝えしてみてはいかがでしょうか。

そもそも、『浴衣は外出着じゃない』といわれるゆえんは、明らかに浴衣の内側が透けていたり、場違いなところへ浴衣で出かけたりする人がいるからです。肌襦袢を持っていない人は、首元が大きく開いたTシャツを代用し、透けないよう身だしなみに気をつけましょう。また、浴衣はあくまでも洋服でいうジーパンや短パン、ビーチサンダルと同等のカジュアルな衣服です。ドレスコードのあるようなホテルやレストランでの着用は避けましょう。

いまや、浴衣は夏の風物詩として見直されています。恥ずかしくない着こなしと、場所を選ぶこと。ぜひ、この2つを押さえてお出かけを楽しんでみてはいかがでしょうか」

(オトナンサー編集部)

1 2

齊木由香(さいき・ゆか)

日本礼法教授、和文化研究家、着付師

旧酒蔵家出身で、幼少期から「新年のあいさつ」などの年間行事で和装を着用し、着物に親しむ。大妻女子大学で着物を生地から製作するなど、日本文化における衣食住について研究。2002年に芸能プロダクションによる約4000人のオーディションを勝ち抜き、テレビドラマやCM、映画などに多数出演。ドラマで和装を着用した経験を生かし“魅せる着物”を提案する。保有資格は「民族衣装文化普及協会認定着物着付師範」「日本礼法教授」「食生活アドバイザー」「秘書検定1級」「英語検定2級」など。オフィシャルブログ(http://ameblo.jp/yukasaiki)。

コメント