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【東日本大震災8年】「自分は大丈夫」と思い込み、避難行動に移らない人の心理とは?

行政頼みでは「命」を守れない

Q.現在の一般的な避難訓練の形式は、やはり限界があるのでしょうか。

島崎さん「個人的な考えですが、行政が全部取り仕切り、参加者が受け身になって一斉に参加する現在の避難訓練には、疑問があります。避難訓練は、個人でやればよい話なのです。住んでいる場所に津波が来る可能性があると分かっていたら、例えば、高台まで本当に行ってみるとか、何分くらいかかるのかを計測するように」

Q.行政が主導することに、避難情報の発表があります。これはどう思いますか。

島崎さん「極論かもしれませんが、行政が避難勧告や避難指示を一切出さないというのも一つの方法だと思います。自分の命に関わることなのに、行政に『逃げてください』と知らせてもらうのを待っていてはだめです。道路で車が迫ってくれば避けるように、危険が迫れば人は逃げます。それと同じはずなのに、行政に頼り、果てには避難情報が早いだの遅いだのと行政を責めたり、『何も災害が起こらなかったじゃないか』と苦情を言ったりしていたら、自分の命は守れないと思います。

要するに、日本では、行政が手取り足取りやってあげることが、国民の防災意識を逆にそいでいるのかもしれないと思うのです。しかし、行政が避難勧告や避難指示を出すことをやめられるかというとやめられないので、言っても仕方ない話かもしれないとも思っています」

Q.「自分の身は自分で守る」という意識を強く持つということですね。そのとき、「自分は大丈夫だろう」と思う気持ちは、避難するときの弊害になると思います。どのようにすれば払拭(ふっしょく)できるのですか。

島崎さん「まず、人には『正常性バイアス』があると自覚することです。『誰も逃げてないけど、空気を読んで逃げないのはまずいよね。まずは自分が逃げることが、みんなが助かるきっかけになるかもしれない』と想像できれば、行動は変わります」

Q.東日本大震災から8年たち、日本人の災害に備える意識は向上したと思いますか。

島崎さん「残念ながら下がっていると思います。しかし、これは、災害が起きると上がり、時間が経過すると下がるの繰り返しなので仕方ないことだと思っています。大きな災害があり、多く報道されると、人は『備えをしないといけない』と考えますが、しばらくすると忘れてしまいます。嫌なことは忘れていくというのは、脳の機能としては正常なので、『意識が下がってとんでもない』と言うのではなく、まずは『そういうものだ』と自覚することが大切です」

(オトナンサー編集部)

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