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風邪や花粉症でも…ビジネスシーンでの「マスク」着用は、マナー違反にあたるのか

「社内」「社外」、それぞれの注意点は?

Q.ビジネスシーンにおけるマスクの着用について、具体的なマナーや注意点を教えてください。

西出さん「ビジネスの場でマスクを着用する際に気をつけるべきことは、『社内』と『社外』で異なります」

【社外(営業、取引先との商談・打ち合わせ時、訪問時など)】

マスクをした人から訪問を受けたとき、多くの人は相手に対して「風邪かな」と思うことがほとんどではないでしょうか。すると、訪問を受けた側は心配したり、うつされたくないと思ったりするかもしれません。本当に風邪をひいている場合、ますは自分が“相手とのコミュニケーションのために”どう振る舞うべきかを考え、「うつしてはいけない」と配慮してマスクをした方がよいとも言えます。

ただし、状況や関係性にもよるため、着用したままでもよいか外すべきかは、マナーの観点からは一概には言えません。そこで、「風邪をひいているから、マスクをしておきたい」と思うのであれば、相手に受け入れてもらえるように、まず一言断りを入れると誤解されないでしょう。

ただし、同様の場合でも、相手の心象を考え「マスクを外した方がよい」という選択肢もあるかもしれません。その場の状況や相手との関係性などから臨機応変に判断することが大切です。

弊社クライアントの管理職や中堅・若手社員の皆さんに伺ってみたところ、「マスクをして他社を訪問したり、商談したりすることはあり得ない」「マスクをして来られると嫌だ」という回答が多くありました。少し厳しい感じも受けますが、社外の人がマスクをしていると、不快に思う人の方が多いようです。

現在、風邪をひいているわけではなく、予防のためにマスクを着用しているのであれば、他社を訪問するときは外した方がよいといえます。

【社内(自席での業務時、会議時など)】

前述通り、社内では自社のルールに従うのが第一です。内勤であれば、ほとんどの場合はマスクをしていても問題ないと思いますが、ルールは事前に確認しておきましょう。風邪などでマスクが必要な場合の注意点ですが、マナーとは『先手必勝』です。マスクをしている理由を周囲に尋ねられる前に、自分から「今日は○○でマスクをしており、失礼いたします」と伝えると周囲も事情が分かり、安心するでしょう。

Q.風邪でないのに職場でマスクを着用する人が増加しているようです。

西出さん「最近は、さまざまな事情から『顔をマスクで隠したい』人が増えているようです。歯科医など、仕事中にマスクを必要とする業種・職種もありますが、そうではない場合、基本的には、風邪など体調不良でない限り仕事中はマスクをしない方がよいです。マスク着用を不快に思う人がいるほか、マスクをしていると声がこもってしまい、対面でも電話でも聞き取りにくくなってしまうためです。

もちろん、周囲が気にしていなければマスクをしていても問題はありませんが、実際はコミュニケーションを取るとき、特にビジネスシーンにおいては、相手がマスクをしていることに抵抗感を持つ人も少なくありません。マナーとは、相手のことを思っての振る舞いを意味します。風邪ではないのにマスクを着用することは、コミュニケーションの場において、『相手のことを考えていない行為』とも取られかねません。マスクをしていると職場の人がどう思うか、いつも念頭に置くようにしたいものです」

Q.その他、マスクの着用について気をつけるべきことは。

西出さん「マスクをしているときは、普段以上に表情に気を配りましょう。マスクは顔の半分を覆い隠してしまうため、表情が分かりづらくなり、円滑なコミュニケーションの妨げにもつながりかねません。特に目の表情を意識し、相手を不快にさせないよう心掛けるとよいのではないでしょうか。

また、マスクには清潔感が必須です。着用して人前に出る際は特に意識し、汚れていないものを着用しましょう。近年、着用する人を街中でよく見かけるようになった『黒いマスク』などは、一般的なビジネスシーンでは控えましょう。その他、柄物やキャラクター物などファッション性の高いマスクも、業務中に着用するものとしては不向きといえますね。

ビジネスマナーとは、会社の収益のためにあるものです。『マスク=失礼』という絶対的な定義はありませんが、『相手が嫌がる』『お客さまが不快に思う』ものになってしまうと、それはNG行為となりかねません。

マスクを着用する/しないの判断は、相手との関係性やコミュニケーション、状況などによってケース・バイ・ケースであり、自身の体調管理のためや、相手にうつさないようにとの配慮からくるマスク着用は大切なことですが、いずれにしても、マスクをする側は、『マスク着用を不快に思う人もいる』という認識を持っておくことが非常に重要です。その認識を持っていれば、マスク着用時においても、相手に対する思いやりやアイコンタクト、声かけにつながっていくはずです。

一方、マスクをしていない側も、マスクをしている人を心配する、あるいは、マスクを気にしすぎず普段通りに振る舞うといった姿勢があると、スマートなマナーのよさが感じられるでしょう。いずれにせよ、マナーはお互いさまで、互いを思いやり合う気持ち、心から成るものです」

(オトナンサー編集部)

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マナーズ博子(まなーず・ひろこ)

マナーコンサルタント、マナー評論家、マナー解説者、ヒロコマナーグループ代表

大妻女子大学卒業後、国会議員などの秘書職を経てマナー講師として独立。31歳でマナーの本場英国へ単身渡英。オックスフォード大学大学院遺伝子学研究者のビジネスパートナーと起業し、お互いをプラスに導くヒロコ流マナー論を確立させる。帰国後、名だたる企業300社以上にマナー研修やおもてなし、営業接客マナー研修、マナーコンサルティングなどを行い、他に類を見ない唯一無二の指導と称賛される。その実績は、テレビや新聞、雑誌などで「マナー界のカリスマ」として多数紹介。「マナーの賢人」として「ソロモン流」(テレビ東京)などのドキュメンタリー番組でも報道された。NHK大河ドラマ「いだでん」「花燃ゆ」「龍馬伝」、映画「るろうに剣心 伝説の最期編」などのドラマや映画、書籍で、マナー指導・監修者としても活躍中。著書は、28万部突破の「お仕事のマナーとコツ」(学研プラス)「マンガでわかる! 社会人1年生のビジネスマナー」(ダイヤモンド社)「マナーコンサルタントがこっそり教える 実は恥ずかしい思い込みマナー」(PHP研究所)「運のいい人のマナー」(清流出版)など監修含め国内外で90冊以上。「10歳までに身につけたい 一生困らない子どものマナー」(青春出版社)など、子どものマナーからビジネスマナーやテーブルマナーなどマナーのすべてに精通。ヒロコマナーグループ(http://www.hirokomanner-group.com)、プレミアムVIPマナーサロン(http://www.erh27.com)。
※「TPPPO」「先手必笑」「マナーコミュニケーション」は西出博子の登録商標です。

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