風邪や花粉症でも…ビジネスシーンでの「マスク」着用は、マナー違反にあたるのか
インフルエンザや風邪が流行し、花粉症の季節も到来。ビジネスシーンでの「マスク」着用の是非が話題となっています。

風邪やインフルエンザ、花粉症のシーズンが到来。マスク姿の人が増加する中、ビジネスシーンでの「マスク」着用の是非が話題となっています。マスクは、風邪やウイルスまん延の防止など健康管理に役立つ半面、顔の半分を覆い隠してしまうため、着用したままの営業や商談は「失礼」と受け止められ、マイナスの印象を与えてしまう可能性も。来客の多い職場でマスクを禁止しているケースがある一方で、感染症のリスクを避けるため着用を推奨する会社もあるようです。
ネット上では、「マスクをしたまま商談なんて失礼すぎる」「咳(せき)がひどい時はマスクをしない方がマナー違反」「社内の会議でも、マスクをしてよいか悩む」「風邪でもないのにマスクしている社員がいるけど、どうなの?」など、さまざまな声が上がっています。
専門家の見解とは、どのようなものでしょうか。「マナーは互いをプラスにするもの」をモットーに、国内外の企業や大学などで人財育成教育やマナーコンサルティングを行うほか、NHK大河ドラマなどのドラマや映画でマナー指導を行い、国内外で85冊以上のマナー本を出版、監修するマナーコンサルタント・西出ひろ子さんに聞きました。
マスクをしている理由の説明を
Q.マナー的観点からみて、ビジネスシーンにおけるマスク着用についてどのように思われますか。
西出さん「マスクをする主な理由としては『風邪をひいている』『花粉症である』『顔に湿疹ができてしまった』など、健康上の問題によるものが最も多いと思います。こうしたケースでは、『マスクをしていた方が精神的に楽で安全』という自身の状況に加え、相手や周囲にうつさないようにする役割も果たします。
そうした事情があるとき、職場でマスクを着用することについては問題ないと思います。マナーの大前提は『相手の立場に立つ』こと。マスク着用で会議に参加するなど対面の仕事をする場合、それを相手が『問題ない』とするか『不快』とするか、受け取り方は相手によって異なります。
そのため、職場の人など場を共にする人に対しては、『なぜマスクをしているのか』事情を説明することが、相手の立場に立った思いやりにつながります。また同時に、相手は寛容な気持ちを持つこと、その『お互いさまの精神』がマナーある職場といえます。
ただし、会社の規則によっては、マスク着用NGとしている場合もあるかもしれません。自社のルールを確認し、それに従うことが最重要であり、ビジネスマナーの基本です。また、ルールにかかわらず、『顔を小さく見せたいから』『ファッションの一環』などによる着用は、それをよしとしない人や、快く思わない人がいるビジネスシーンにおいてはNGです。
余談ですが、海外では、医師など必要性のある人以外で、ビジネスシーンでマスクをしている人はあまり見かけません。TPPPO(Time=時、Place=場所、Person=人・相手、Position=立場、Occasion=場合)に応じて使い分けるのが本来のマナーです」
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