わずか10日間で終了…PayPay“100億円キャンペーン”はクレカ不正利用も、同社の対応は?
100億円分のキャッシュバックキャンペーンが話題となった「PayPay」ですが、さまざまな問題もありました。

電子決済サービスの開発などを手掛ける「PayPay」(東京都千代田区)が12月4日から実施した、100億円分のキャッシュバックキャンペーンが話題となりました。QRコードによるスマホ決済サービス「PayPay」で買い物をしたユーザーに支払い金額の20%を還元するものでしたが、13日に早くも上限金額に達し終了しました。
キャンペーン期間中は家電量販店などが繁盛する一方、同サービスを経由したクレジットカードの不正利用による被害を訴える声がSNS上に寄せられるなど課題もありました。キャンペーンの成果と不正利用への対応について、同社に聞きました。
脆弱なセキュリティーで不正利用の温床に
PayPayは「100億円あげちゃうキャンペーン」と題した販促を、12月4日午前9時からスタート。実施期間は来年3月31日までの約4カ月間としていましたが、「付与金額が100億円に達した段階で終了する」とも定めており、わずか10日間で終了しました。
還元額の上限は1人月5万円でした。一般ユーザーは40分の1、ソフトバンク、Yモバイルユーザーは10分の1などの確率で、それぞれ全額(10万円相当まで)がキャッシュバックとなる特典もありました。
キャンペーンは12月13日午後11時59分に終了しましたが、終了するとの情報が公表されたのは当日の夜。また、同日午後には、キャンペーン終了を知らせる文書がインターネット上で出回り、家電量販店などに客が殺到。決済サービスが一時、利用できなくなりました。
キャンペーンに関し、SNS上では「滑り込みで買い物した」「終わるのが早い」「登録しただけで何も買っていない」などの意見や、「PayPayに登録していないのに請求がきた」「80万円近く使われた」「セキュリティーが甘い」といった、不正利用の被害や不安を訴える投稿が相次ぎました。
PayPay広報室の担当者に聞きました。
Q.キャンペーンの早期終了は予想していましたか。10日間で100億円に達した要因は。
担当者「当社の予想を超えるスピードで100億円を達成しました。サービスの認知度が広がったことで、多くのお客さまにご利用いただけたのが要因だと考えております」
Q.キャンペーンの成果は。
担当者「一人でも多くの皆さんにキャッシュレス決済を体験いただきたい、という思いで実施した結果、多くのお客さまにご利用いただくことができました。一方、サービスの不具合などにより、ご利用いただけない時間帯が複数回発生してしまい、大変ご迷惑をおかけしました。より良いサービスを提供できるよう、日々努力してまいります」
Q.導入店舗からはどのような意見が寄せられていますか。
担当者「『導入してよかった』というご意見や、サービス改善のご意見など、多くのご意見を頂いております」
Q.なぜ、キャンペーン終了の情報を当日の夜に公表したのでしょうか。
担当者「あらゆる影響を総合的に判断したためです」
Q.不正利用が発生した原因は。
担当者「『PayPay』からクレジットカードなどの情報が流出したわけではありません。悪意ある第三者が他の方法で入手したクレジットカード情報を『PayPay』に登録し、利用したことが原因だと考えております」
Q.セキュリティーに不備があったのでは。
担当者「当初、3桁のセキュリティーコードなど、クレジットカード情報の入力回数に制限をかけていませんでした。そこで12月18日午前、iOS、Android向けアプリをアップデートし、入力の上限回数を設けました。他にも対策を検討中ですが、不正防止の観点から詳細はお伝えできません。対策できるものは年内に行い、来年以降も引き続き対応していきます」
Q.不正利用の被害に遭った方に対する救済措置は行いますか。
担当者「クレジットカード会社から身に覚えのない請求があった場合、速やかにご利用のカード会社へご連絡いただくようお願いしております。不正利用が認められた場合、クレジットカード会社より補償の対応が行われます」
Q.今後、類似のキャンペーンを実施する予定は。
担当者「今後も『PayPay』をご利用いただけるよう、新たなキャンペーンを検討していますが、実施するかどうかは現時点では未定です」
キャンペーンの盛り上がりで、幸先の良いスタートを切ったかに見えましたが、脆弱(ぜいじゃく)なセキュリティーで、クレジットカードの不正利用の温床となってしまったPayPay。12月27日、被害者に対する全額補償のほか、事前にカード発行会社に登録したパスワードを入力して本人認証を行うサービスに、2019年1月から対応すると発表しました。決済サービスが乱立する中、信頼を回復できるか注目されます。
(オトナンサー編集部)
担当者への取材は評価したいが、
「責めても良いものを責めて責任を問う」だけで中身が無い。
率直な感想、全体に下品な記事だと感じた