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「介護にかかる費用」実のところ、いくら? 介護福祉士が教える「今からできる備え」

介護に備えるための費用について解説。今はまだ介護が必要なくても、どのくらい準備しておくべきか、介護福祉士に聞きました。

「介護にかかる費用」はいくら?
「介護にかかる費用」はいくら?

 将来的に介護が必要になった場合、気になるのが費用面のこと。今からどのくらい備えておくべきなのか、不安に感じる方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、準備しておく介護費用の参考になる情報を、介護福祉士の鹿見勇輔さんに教えていただきました。

「入居一時金+月額利用料×入所期間」が目安

Q.介護費用として、どのくらい準備しておけばよいのか、目安を教えてください。

鹿見さん「介護にかかる費用は利用する施設やサービスによって大きく異なりますが、介護施設に入所する場合にかかるのは『入居一時金』と『月額利用料』が一般的です。将来に備える上では、『入居一時金+月額利用料×入所期間』が一つの目安になります。

介護施設入居の際に初期費用として支払う入居一時金は、通常は10万円程度のことが多いですが、施設によっては100万円近くになる場合もあるので注意が必要です。

月額の利用料金は、全国平均で15万円程度です。施設の立地条件や、個室などの居室使用料、日常生活に必要なお金も発生しますので、事前に計算しておくとよいでしょう。

多くの介護施設では、人生の最期まで入所が可能です。ただ、介護老人保健施設の場合は、在宅復帰を目指す施設という特性上、3カ月程度で退所の話が出てくることが多くあります。介護施設の種類によって入所期間が違いますので、確認をしておいてください」

Q.在宅介護か施設入所、またはサービスや介護内容などによって、費用面で差が出ることはありますか?

鹿見さん「在宅介護でも特別養護老人ホームに入所した場合でも、介護サービス費用や日常生活にかかる費用に大きな差はありません。現在、家賃がかかっていない方が施設に入所する場合は、居住費分の費用が高くなるイメージです。

また、施設入所の場合、夫婦が別々に生活するとなれば、単純に費用が多くなることは予測できると思います。できるだけご自身の収入の範囲の中で、収支計算をしてから施設入所を検討してください。

施設利用料の相場は、介護施設の種類が公的施設か民間施設かで変わってきます。公的施設の特別養護老人ホームは、民間施設である介護付き有料老人ホームと比べると5万円程度安くなります。ただ、公的施設は順番待ちが多く、すぐに入所できないことがあります。まず民間施設に入所してから、順番がまわってきたら公的施設に移るという方が多いです」

Q.実際に介護が必要になったときに使える費用面でのサポートには、どんなものがありますか?

鹿見さん「ご本人の収入で介護ができない場合、ご家族が介護費用を負担するケースが多いです。ただ、介護はいつまで続くかわかりませんし、ご家族にも家庭があるため、費用負担を続けていくことは大変になってきます。

そこで利用できる介護保険制度に、『負担限度額認定制度』があります。これは介護保険施設を利用した際にかかる住居費や食費を軽減する制度のことです。一定の条件を満たした方に限り、費用が減額されます。

また、もし、介護サービスの自己負担額が高額になった場合、申請によって上限額を超えた分の支給を受け取ることもできます。これを『高額介護サービス費制度』と言います。上限額は、世帯に含まれる方の収入状況などによって異なります。

いずれの制度も活用できるかの判断はご自身ではできないので、お近くの市町村窓口で一度調べてみてください」

※ ※ ※
 介護は突然始まることもあります。だからこそ、今のうちに費用の目安や制度の仕組みを知っておくことが大切です。鹿見さんのアドバイスを参考に、無理のない範囲で準備を進めておくことで、将来の不安を少しでも軽くできるはずです。

(オトナンサー編集部)

【えっ!】わかりやすい! 介護保険施設を利用した際にかかる住居費や食費を軽減する制度を表で解説!

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鹿見勇輔(しかみ・ゆうすけ)

主任介護支援専門員、介護福祉士、社会福祉士、精神保健福祉士

めぐみ指定居宅介護支援事業所・管理者、めぐみ指定訪問介護事業所・管理者として介護の現場で活動する傍ら、日本福祉大学・実務家教員、近畿大学九州短期大学・非常勤講師、トリニティカレッジ広島医療福祉専門学校・非常勤講師としても活動している。

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