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災害時、障害者向け「福祉避難所」はあてにならない!? ショック受けた自閉症児の母が見いだした“防災対策”

障害がある息子と私たち家族のために今できる備えは?

支援を求めるのではなく、日頃から自分でできる備えを積み重ねている自閉症児の母(べっこうあめアマミさん作)
支援を求めるのではなく、日頃から自分でできる備えを積み重ねている自閉症児の母(べっこうあめアマミさん作)

 私の息子には、重い知的障害と自閉症があります。言葉でのやりとりが難しく、「いつもと違う」状況や場所が苦手です。そんな息子にとって、たくさんの人が集まる避難所での生活は、相当なストレスになるでしょう。

 息子にとってもストレスでしょうが、大きな声を出したり、不審な行動を取ったりするなどして、他の人にも迷惑をかけてしまうかもしれません。

 息子の場合、身辺の自立もまだまだ不安がありますから、トイレは特に心配です。普段と違うトイレでうまく用を足せるかも分かりませんし、非常時のストレスから、漏らしてしまうことも大いに想像できます。

 そんな息子のことを考え、私は、家での防災グッズの充実に力を注ぐようになりました。息子のトイレは基本的には家でさせることができるように、簡易トイレキットをたくさん買いました。息子が使えるサイズのオムツはあまりないサイズなので、多めに家に置くようにしました。

 あとは、基本的な防災用品。モバイルバッテリーや食料、水など、家でもある程度は過ごせるように、いろいろと用意しています。家だけではなく、車で過ごすことも考え、災害時をシミュレーションしていろいろと考えています。

頼れる人とつながっておこう

 人とのつながりも大事です。息子の障害のことを考えると、安易に息子を誰かに預けることは難しいでしょう。しかし、私たち家族のことを知ってくれている人が多ければ、情報も得やすいでしょうし、いざというときは助け合うこともできるでしょう。

 このように、災害時は特に人とのつながりが大事だと思うので、地域のコミュニティーも大事にしています。近所に知り合いを増やし、交流する機会も増えました。

 いざというとき、たった一人で全部やろうとするのは無理です。だから、お願いできる人、声をかけられる人との「小さなつながり」を、少しずつでも広げておくようにしています。

「備え」はわが子への愛情

「防災」と聞くと、難しい言葉や専門的な知識が必要なイメージがあるかもしれません。

 しかし私にとっての防災は、「息子が安心して生き延びられるようにすること」です。それはつまり、日々の生活を見つめて、小さな備えを重ねていくことです。

 人任せではなく、自主防災が基本。福祉避難所に頼れない現状を鑑みて、「自分たちに何ができるか」を考えることが、わが子の命を守る力になると思っています。

(ライター、イラストレーター べっこうあめアマミ)

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べっこうあめアマミ(べっこうあめあまみ)

ライター、イラストレーター

知的障害を伴う自閉症の息子と「きょうだい児」の娘を育てながら、ライター、電子書籍作家として活動。「ママがしんどくて無理をして、子どもが幸せになれるわけがない」という信念のもと、「障害のある子ども」ではなく「障害児のママ」に軸足をおいた発信をツイッター(https://twitter.com/ariorihaberi_im)などの各種SNSで続けている。障害児育児をテーマにした複数の電子書籍を出版し、Amazonランキング1位を獲得するなど多くの障害児家族に読まれている(https://www.amazon.co.jp/dp/B09BRGSY7M/)。「べっこうあめアマミ」というペンネームは、障害という重くなりがちなテーマについて、多くの人に気軽に触れてもらいたいと願い、夫と相談して、あえて軽めの言葉を選んで付けた。

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