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洗髪後に自然乾燥する「ドライヤーキャンセル」 髪&頭皮にどう影響? うまく乾かす“時短テク”とは 美容師が解説

髪を洗った後、ドライヤーを使わずに自然乾燥させた場合、髪や頭皮にどのような影響が出る可能性があるのでしょうか。美容師に聞きました。

ドライヤーキャンセルをするとどうなる?
ドライヤーキャンセルをするとどうなる?

 近年、髪を洗った後にドライヤーを使わずに自然乾燥で済ませる現象を指す「ドライヤーキャンセル界隈」という言葉が話題になっています。疲れている日に髪の毛をドライヤーで乾かすのがおっくうになり、自然乾燥させたことがある人は多いのではないでしょうか。また、毛量が多いことや髪の毛が長いことが原因で髪を乾かすのが大変な場合は、ドライヤーを使うのをより面倒に感じやすいでしょう。

 では、洗髪後にドライヤーを使わずに自然乾燥させた場合、髪や頭皮にどのような影響が出る可能性があるのでしょうか。髪の毛をより早く乾かす方法も含め、美容院「Grace Avenue」(東京都港区)サロンマネジャーで美容師の原木佳祐さんに聞きました。

ぬれた髪は栄養分が抜けやすい

Q.入浴後にドライヤーで髪を乾かさない、いわゆる「ドライヤーキャンセル」が話題になっています。もし洗髪後にドライヤーで髪を乾かさなかった場合、頭皮や髪にどのような影響を及ぼす可能性があるのでしょうか。

原木さん「入浴後、ドライヤーで乾かさずに頭皮がぬれたままの状態だと、体温で蒸れて菌が繁殖しやすくなります。ほかにも、かゆみや臭いといった頭皮トラブルの原因につながるでしょう。

また、ぬれた髪はキューティクルが開いているため、髪の内部の栄養分が抜けたり、ダメージを受けたりします。髪の毛は乾いた状態よりもぬれた状態の方が柔らかく、小さな刺激でもダメージを受けてしまうので注意が必要です」

Q.「毛量が多い」「髪が長い」などの理由で髪をうまく乾かすことができない場合、どのように対処すればよいのでしょうか。

原木さん「毛量や長さがあって髪を乾かすのが大変な場合は、タオルドライでしっかりと水気を取ることが大事です。吸水性が高いタオルや風量の多いドライヤーなども販売されているため、そのような商品を試すのもよいでしょう。

髪の毛をより早く乾かす方法としては、タオルドライとドライヤーを並行するのが効果的です。片方の手でタオルドライをして水気を拭き取りながら、もう片方の手でドライヤーを使用すると時間短縮になりますよ」

Q.ドライヤーキャンセルによってダメージを受けた髪や頭皮の状態は改善できるのでしょうか。ドライヤーで髪を乾かすと髪がダメージを受けると考える人もいるようですが、その点についてはどのように捉えていますか。

原木さん「髪は爪などと同じ死滅細胞なので、一度ダメージを負ってしまうと修復できません。『ドライヤーで髪を乾かす行為そのものが髪を痛めているかもしれない』『ドライヤーをやめた方が髪がきれいになるのでは』と考えている人もいるかもしれません。しかし、シャンプーを自分に適したものに変えたり、食事や睡眠などの生活習慣を改善したりしなければ、髪や頭皮の症状を改善させることはできないでしょう。つまり、ドライヤーの使用を控えても意味がありません。

もしドライヤーを使いたくないのであれば、髪が完全に乾いてから粗めのくしやブラシでやさしく髪をとかしてください。それだけでもキューティクルが整いますよ。

なお、頭を打って血が出た場合など、ドライヤーの使用を控えることで傷口に触れずに済むというメリットがあるケースもあります。しかし、その場合は原則として洗髪も控えるべきなので、ドライヤーキャンセルそのものが症状の完治につながるとは言えません」

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 入浴後にドライヤーを使わずに自然乾燥で済ませた場合、さまざまなデメリットがあることが分かりました。吸水性の高いタオルや風量の多いドライヤーを活用し、しっかりと髪を乾かすように心掛けましょう。

(オトナンサー編集部)

【要注意】「えっ…デメリットだらけ!」 これが“ドライヤーキャンセル”が髪&頭皮に及ぼす影響です(画像4枚)

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原木佳祐(はらき・けいすけ)

美容師

美容師、パーソナルカラリスト認定講師、パーソナルカラリスト1級、骨格スタイルアドバイザー1級、色彩診断士。美容院では7年前から骨格診断とパーソナルカラー診断を取り入れ、日本で唯一診断の出来るヘアサロンを確立。 その後、顔タイプアドバイザー1級の資格を取り診断系をコンプリート。現在は表参道の美容院で現役サロンマネージャーとして活躍中。

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