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橋本愛、捨てるように生きた10代を経て今…「味わうように過ごしたい」

映画「ここは退屈迎えに来て」で「私」を演じた橋本愛さんにインタビュー。役どころや、高校時代と現代の演じ分け、20代の目標などを聞きました。

橋本愛さん
橋本愛さん

 映画「ここは退屈迎えに来て」(廣木隆一監督)で「私」を演じた橋本愛さん。同作は、東京で就職したものの、10年で地元に帰ってきた27歳の「私」(橋本さん)がある日、高校時代の友達サツキ(柳ゆり菜さん)と出会った勢いで、当時憧れていた椎名(成田凌さん)に会いに行き…というストーリーです。原作は山内マリコさんの同名小説。

 オトナンサー編集部では、橋本さんにインタビューを実施。「私」という役どころや、高校時代と現代の演じ分け、20代の目標などを聞きました。

ノスタルジーを「私」に持ち込む

Q.オファーされた時の感想を教えてください。

橋本さん(以下敬称略)「この本を発売当時に読んで、好きな小説だったので、映画化に自分が関われることがこんなにうれしいんだなと思いました。廣木監督の映画も見ていて、特に出演している女優さんが輝いているのを見てきたので、演じられるのが楽しみでした」

Q.廣木監督の演出はいかがでしたか。

橋本「監督から演出をほとんどされなかったので、周りの人が演出されているのを見て、うらやましいと思っていました(笑)でも、最後の最後に、教習所のシーンで監督から、『脚本のニュアンスとちょっと違うけど、こういう方がいいと思うんだよね』と提案していただき、一から脚本を読み直した時にハマって、ずっと見ていてくださったことが分かりました」

Q.「私」はどんなキャラクターと捉えましたか。

橋本「『こういう人』と決めずにやっていました。何に対してもあいまいというか、『あたし』ほど椎名くんに執着していないし、サツキちゃんほど東京に執着していないし、村上淳さんが演じた須賀さんよりも、自分ができなかったことにグチグチ言わないし。でも、秘めているものはある。

初日に監督と『“私”は迎えに来てという人じゃない、もっと能動的に動いていける人』と話しました。確かに、東京も行ったし、帰って来てから、弱い人ならば打ちのめされて引きこもったりする選択肢もあった中で、ライターの仕事をする生命力があります」

Q.現代と高校生の演じ分けで意識したことは。

橋本「バレない程度に、声のトーンや低さは、27歳は浮つかないように、高校時代は浮ついてもいいかなと思い、ただあからさまに見せることはしませんでした。27歳は未知で、分からないから。年齢的にちょうど『間』だったんですよね。『間』だからできることをしようと思いました」

Q.「私」と似ているところはありますか。

橋本「私は基本ノスタルジックで、彼女も地元の風景やクラスメートの存在、過去に強い気持ちが残っていて、そこは私のノスタルジーを持ち込みました。本音をなかなか表に出さないところも似ています」

Q.撮影現場で何か面白いエピソードはありましたか。

橋本「皆でプールに飛び込んだりするシーンで、プールに水がたまっていなかったことです(笑)もっとたまっている想定だったのですが、プールに入った時に足が着いてしまって、うそをつきたくないので立っちゃえと思いましたが、渡辺大知君が全身入水してくれて、ありがとうと思いました。

私は逆に浅くてよかったと思いました。青春のキラキラって浅瀬じゃないですか。浅くてよかったと思います」

Q.リフレッシュにはどんなことをしていますか。

橋本「寝る。ロングスリーパーですが、ずっと寝ると体調が悪くなるので、していません(笑)気分にもよりますが、歌うのが好きなので一人でカラオケに行って、好きなだけ歌って帰るとか、ちょっとおいしいケーキを買うとかですね」

Q.オン/オフの切り替え方法は。

橋本「メイクを落とした後のホットタオルですかね。あれが幸せすぎる(笑)この仕事ってオン/オフがあるのかなと思うことはあります。オフの日でも、知らないところで鬼のように積み重なっている何かを得ていますし、現場が終わると緊張から放たれてハッピーになります。勝手にオン/オフになってます」

Q.仕事の目標を教えてください。

橋本「特にないですかね。理想に近づく努力はしますが。ただ、30歳になった時は今より楽しく、楽になるという希望を持っているので、そうなっていたらいいなと。願望ですね(笑)

10代の時は早く成人したいと思っていて、捨てるように10代を生きてきて、ちょっと無駄にしたかなという気持ちがあるので、大事に生きてあげようと思います。味わうように、もっといい日々があるとしても、今も悪くないと思って過ごしたいです」

 映画「ここは退屈迎えに来て」は10月19日から全国公開。

(エンタメチーム)

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