黒木華、仕事がないと不安だった過去…新しい“発見”のために休む
映画「ビブリア古書堂の事件手帖」主演の黒木華さんにインタビュー。原作の感想や好きな小説、女優として大事にしているものなどを聞きました。

人気小説を実写化した映画「ビブリア古書堂の事件手帖」で主演を務めた黒木華さん。同作は、五浦大輔(野村周平さん)が祖母の遺品から夏目漱石直筆と思われる署名入りの「それから」を見つけ、鑑定のために「ビブリア古書堂」を訪問、店主の篠川栞子(黒木さん)と出会います。本にまつわる秘密を篠川の推理力で解き明かしていく、文学ミステリーです。
オトナンサー編集部では、黒木さんにインタビューを実施。原作の感想や好きな小説、女優として大事にしているものなどを聞きました。
コミュニケーション下手が似ている
Q.原作を読まれた感想をお願いします。
黒木さん(以下敬称略)「素直に面白いと思いました。本から紡ぎ出されるミステリーも面白かったですし、さすが人気のある原作だなと感じました」
Q.栞子と似ているところはありますか。
黒木「人とコミュニケーションを取るのがうまくないところ、本が好きなところは似ていると思いました。本に対する想いや知識は本当にすごいので、私も見習いたいですね」
Q.栞子は本の話になると夢中になって話すキャラですが、黒木さんが夢中で話してしまうものは。
黒木「映画と舞台ですね」
Q.撮影前に役作りでしたことは何でしょうか。
黒木「本の査定の仕方や古書の縛り方などを教えていただきました。原作のビジュアルが有名なので、プレッシャーはありました。黒髪ロングやメガネなど細かいディテールから少しずつ近づけるようにしました。
ただ、私はあんなに美人ではないので、仕草だったり雰囲気で栞子に近づいていこうと。本のことや自分の好きなことを話す時は、セリフのスピードを早くするなど、監督と話し合いながら作り込んでいきました」
Q.作中に出てきた本は読まれましたか。
黒木「出ている本の大半は読んでいましたが、漱石全集は読んでいないものもあったのでこの機会に読み返しました。私はやはり太宰治が好きだなと思いました」
Q.太宰治の好きな作品を教えてください。
黒木「『人間失格』が好きです。引きつけられるんですよね。登場人物のダメさ加減やネガティブなところに、どこか共感するんです」
Q.栞子の理解できないところはありましたか。
黒木「あんなにたくさん本を読んでいて、人の感情の機微を誰よりも知っているはずなのに、自分のことになると鈍感なんです。大輔の好意に気づくのもかなり時間がかかったと思います。そんなところが栞子の不器用な部分でもあり、魅力だと思いました」
Q.普段、女優業をされている中で心がけていることは。
黒木「最近、休むことも大切だと改めて気づきました。今は少し自分の時間もあるので、やりたいこと、好きなことをしています。以前は、仕事がないと不安になって、休みなく働きたいと思っていましたが、それだと、日々に追われて新しい発見や吸収ができないと気づいて、休める時にはなるべく休むように心がけています」
Q.グザヴィエ・ドランやミシェル・ゴンドリーが好きとお聞きしました。特に好きな作品は何でしょうか。
黒木「ドランは『わたしはロランス』、ゴンドリーは『エターナル・サンシャイン』が好きです。『エターナル・サンシャイン』はヒロインの髪の色がかわいいので、私もいつかあんな色にしてみたいですね」
Q.30代の仕事の目標を教えてください。
黒木「海外に留学してみたいです。毎年、エジンバラで演劇祭があり、興味があります。舞台が好きなので、海外の演劇の学校にも通ってみたいです」
映画「ビブリア古書堂の事件手帖」は11月1日から全国公開。
ヘアメイク:新井克英
スタイリスト:島津由行
(エンタメチーム)
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