オトナンサー|オトナの教養エンタメバラエティー

飲食店、遊園地に行くと「行列」が…待てる人&待てない人の違いとは 性格も関係? 心理カウンセラー解説

人気の飲食店や遊園地などに行くと、行列ができることも珍しくありません。行列に並んで待てる人と待てない人との違いについて、心理や性格の面から心理カウンセラーが解説します。

行列に並んで待てる人、待てない人の心理的な違いとは?(画像はイメージ)
行列に並んで待てる人、待てない人の心理的な違いとは?(画像はイメージ)

 ゴールデンウイーク中、以前から行ってみたかった飲食店や遊園地などに出掛けようと考えている人は多いのではないでしょうか。ただ、人気の飲食店や遊園地に行くと「行列」ができることも珍しくありません。その際、「並んででも食事をしたい」「とにかくアトラクションを楽しみたい」と考えて行列に加わる人もいれば、「絶対に並びたくない」と思い、別の飲食店やアトラクションに行く人もいるでしょう。行列に並んで待てる人と待てない人とでは、心理的にどのような違いがあるのでしょうか。心理カウンセラーの平井綾乃さんに教えていただきました。

「報酬を得るために待てるかどうか」がポイントに

Q.遊園地や飲食店などでは、行列ができることがあります。行列に並んで待てる人と待てない人とでは、心理的にどのような違いがあるのでしょうか。

平井さん「行列に並んで待てるか待てないかの違いは、あくまで『報酬を得るために待てるかどうか』というところだと思います。例えばどんなに短気な人でも、遊園地のパレードのためなら席取りで3時間以上待てる人もいるかもしれません。あるいは気長な人でも、パレードに興味がないなら待つ時間は無駄に感じるでしょうね。

そういった人の多くは、パレードをやっている時間や待つ時間にすいたアトラクションを満喫するなど、自分なりに効率の良い楽しみ方で遊園地を楽しみます。自分にとってのパレード、つまり『報酬』にどれだけ待つ価値があるのかによって、待てるか待てないかが変わってきます」

Q.行列に並んで待てない人は短気な人が多いのでしょうか。また、行列に並んで待てない人が待てるようになることは可能なのでしょうか。

平井さん「短気だからといって、基本的には行列を待てないわけではないと思いますが、そういう人は、数時間とか半日とか、あまりにも長い時間待つ場合は並ぶのを諦めやすいかもしれません。先述の話と重なりますが、多くの場合、待つ時間や行為に対して魅力を感じないために待たないのだと思います。むしろ、日本人は和を重んじ秩序を乱すことを嫌う傾向にあるので、待つことを要求されれば大半の人はおとなしく待っていると思います。

一方で、行列に文句を言う人は『自分都合に物事を進めたい』という点で、どこか病的かもしれません。自己中心的な考えが身に付いてしまうと、周囲の人と距離が生まれて孤立する可能性がありますね。また、不安の強い人、秩序に厳格すぎる人が『計画が思い通りに進まない』という不安などを感じているケースもあります。あるいは、ADHD傾向の人は『症状の一つ』として待てないということがあります。この場合、待つことはかなり苦行になると思いますね。

『行列に並んで待てない人が待てるようになるか』ということですが、待った先の報酬を得たいと思えば待つと思います。例えば、もともと待つことが苦手な性分でも、欲しいゲーム機が先着順・数量限定で販売されるときや、バーゲンセールとなると待つ時間も惜しくないと考える人もいるはずです」

Q.ちなみに、行列に並んで待てる人が待てなくなることはあるのでしょうか。

平井さん「自分にとってメリットのない行列に並ぶのは、誰でも嫌ですよね。こういった状況以外で挙げるなら、例えば認知症を発症するとささいなことでイライラしたり怒りっぽくなったりするため、行列に並んで待てなかったり、行列に文句を言ったりする可能性があります。また、脳の血管に関する病気なども同様です。もし元々大らかな人が、高齢になって急にせっかちになったり、イライラしやすくなったりした場合は、脳の器質性疾患の可能性も考慮する必要があると思います」

* * *

 行列に並んで待てる人と待てない人の違いは、「報酬を得るために待てるかどうか」だということです。待ってでも欲しいのか、待つくらいなら別のことをするのかによって、待てるか待てないかが変わってくるといいます。

(オトナンサー編集部)

【要チェック】あなたも当てはまるかも…これが「行列」が待てない人の“特徴”です

画像ギャラリー

平井綾乃(ひらい・あやの)

心理カウンセラー

https://tokyo-anone.com/

臨床心理士・公認心理師・キャリアコンサルタント
大学院修了後より精神科クリニックや、公立中学校(スクールカウンセラー)・大学学生相談室等でカウンセリング業務に従事し、小学生〜シニア層まで幅広い世代の相談を受ける。医療領域では精神分析を参考にした心理療法や心理検査のほか、休職者の復職支援、うつ病の先進技術(TMS治療)への心理療法などを経験。教育領域では、不登校や発達障害の子どもとの関わりや保護者・教員への助言を行う。キャリアコンサルタントとして成人のライフステージに応じたキャリア相談の経験も豊富。近年では特に不妊治療の心理カウンセリングに力を入れている。カウンセリングオフィス東京anone

コメント