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【子育て】バスで騒ぐ子どもに「運転手さんに怒られるよ!」と叱ってはいけない…“他人の力”を借りて叱ることの危険性

親が抱える悩みのタネといえば、子どもの「褒め方」と「叱り方」。子育て本著者・講演家の筆者が、褒めるとき・叱るとき、それぞれでおさえておくべきポイントを伝えます。

(C)あべゆみこ
(C)あべゆみこ

「子どもは褒めて育てよ」とよく耳にしますが、難しいですよね。実際は褒めてばかりいるわけにはいかず、しつけもしなくてはならず、注意したり叱ったりすることも必要です。でも、この叱り方も難しいです。

 今回は、子育て本著者・講演家の筆者が「おすすめしない褒め方・叱り方」とその理由をお伝えします。

褒め方のお手本は「実況中継」

 まずは褒め方です。

「いい子ね」「偉いね」という褒め方は、いずれネタが尽きます。次第に子どもから「またそうやって僕をおだてて、やらせようとしている」と見抜かれてしまうかもしれません。

 また、できて当たり前のことなのに、口癖のように「いい子ね」「いい子ね」と連呼していると、大人同士の「またお会いしましょう」のように“社交辞令化”してしまい、子どもも次第にうれしさを感じなくなってしまいます。

 それに、「いい子でいないと親は受け入れてくれない。ありのままの自分でいるとダメなんだ」と子どもは思ってしまいます。

 そんなときは「アナウンサーの実況中継」をお手本にしてみましょう。

「おもちゃ、片付けているね」
「食事を残さず食べていて、ママはうれしいな」
「弟と仲良く遊んでいるね」

 文章だけを見ると素っ気ない感じがしますが、実際はそこに親の顔の表情、声の抑揚も加わります。笑顔で、優しい声でこのように言うと、褒めていることになるのです。

 さらに、この「実況中継」の言い方は、「あなたの行動をいつも見ていますよ」という愛情表現です。つまり「認めている」ということです。何をしていても無視されたり、気付かれなかったりするのは悲しいもの。「褒める=認める」ことなのです。

【画像】「もしかして、うちの子も……」 これが「発達障害児」にみられることのある行動です(画像5枚)

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立石美津子(たていし・みつこ)

子育て本著者・講演家

20年間学習塾を経営。現在は著者・講演家として活動。自閉症スペクトラム支援士。著書は「1人でできる子が育つ『テキトー母さん』のすすめ」(日本実業出版社)、「はずれ先生にあたったとき読む本」(青春出版社)、「子どもも親も幸せになる 発達障害の子の育て方」(すばる舎)、「動画でおぼえちゃうドリル 笑えるひらがな」(小学館)など多数。日本医学ジャーナリスト協会賞(2019年度)で大賞を受賞したノンフィクション作品「発達障害に生まれて 自閉症児と母の17年」(中央公論新社、小児外科医・松永正訓著)のモデルにもなっている。オフィシャルブログ(http://www.tateishi-mitsuko.com/blog/)、Voicy(https://voicy.jp/channel/4272)。

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