デイケアで働く私が出会った嫌われ者老人の漫画 最期に見せた温かさに…「涙が出た」の声
デイケア施設で働く女性が、職場で出会った男性を描いた漫画が話題に。施設には、自慢話ばかりしてほかの利用者から敬遠されている「Mさん」という男性がおり…。
デイケア施設で働く女性が、職場で出会った男性を描いた漫画「忘れられないエピソード」がSNS上で話題となっています。施設には、自慢話ばかりしてほかの利用者から敬遠されている「Mさん」という男性がおり、サービスについて絶えず文句を言っていましたが…という内容で、「涙が出た」「面白かった」「人を知る努力も大事」「看護師時代のことを思い出した」などの声が上がっています。作者の女性に聞きました。
本心に早く気付ければと後悔
この漫画を描いたのは、新庄アキラ(ペンネーム)さん(37)です。理学療法士として働きながら漫画を描いています。描いた漫画はインスタグラム上で発表しています。
Q.漫画を描き始めたのはいつ頃からですか。
新庄さん「小学校4年生頃から、漫画家の岡田あーみんさんに憧れて、描き始めました。描いた漫画をいろいろな雑誌に投稿していましたが、ことごとく落選し、漫画家の夢は諦めました。
大人になって、毎日事件ばかり起きるので、3年前から趣味で大人の絵日記を描き始め、インスタグラムに投稿するようになりました」
Q.今回の漫画を描いたきっかけは。
新庄さん「人と関わる仕事をしていると嫌なことの方が多く、やさぐれていた際にMさんに出会いました。普段、私たちが見ていることはほんの『一部』でしかないということを忘れないために描きました」
Q.新庄さんにとって、Mさんはどんな方でしたか。
新庄さん「毎日お金の話ばかりして、周りの人に嫌な言葉ばかり浴びせる方だったので、正直大嫌いでした(笑)リハビリの時間は気が重かったですね。プロとして失格なのですが、Mさんとはけんかもしました。
しかし、お出かけの一件で見る目が180度変わりました。もっと早くMさんの本心に気付けていれば、関わり方も違っていたのかなと後悔しています」
Q.「忘れられないエピソード」をシリーズ化する予定は。
新庄さん「シリーズ化したいのですが、くだらないことばかり書いてしまって、なかなか着手できていません(笑)」
Q.読者からどのような意見が寄せられていますか。
新庄さん「介護や医療に携わる人から、多くの意見や感想を頂きました。皆さん、自分の経験や家族と重なる部分があったようで『涙が止まらない』『感動しました』など、温かいお言葉をたくさん頂きました」
Q.創作活動で今後、取り組んでいきたいことは。
新庄さん「理学療法士という仕事はまだまだ認知度が低く、地味なイメージもあるようです。この職業を皆さんに知っていただけるよう、親しみやすい日常漫画を描いていきたいです。
人生は嫌なことやつらいことがたくさんあったり、やばい人が周りにたくさんいたりと、厳しいです。そうしたことを楽しんでネタにしていくことで、皆さんにほんの少しの笑いやいい話をお届けできたらと思っています」
(報道チーム)
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