病気を機に“まじめ”をやめたいと思った体験を漫画に 人生初の挑戦も…「共感した」と反響
病気を機に自分の性格を考察した漫画が話題に。起床すると右耳が聞こえなくなっていた主人公。医者から「まじめなんでしょ」と言われたことに違和感を覚え…。

病気を機に自分の性格を考察した漫画「“まじめ”をやめたいアラサー」が、SNS上で話題となっています。起床すると右耳が聞こえなくなっていた主人公。耳鼻科に行くと、医者から「まじめなんでしょ」と言われたことに違和感を覚え…という内容で「共感した」「まじめであることで信用を蓄積しているのでは」「ほどほどに力を抜いた方がよい」などの声が上がっています。漫画の作者に聞きました。
問題を起こしたくなかったのかも…
この漫画を描いたのは、にいさとる(ペンネーム)さんです。2016年に漫画家デビューしました。「男子バド部に女子が紛れてる シークレットバドミントンクラブ」(講談社、全5巻)などの漫画を描いています。
Q.漫画を描き始めたのはいつ頃からですか。
にいさん「初めて原稿用紙に漫画を描いたのは19歳の頃でした。それまではコピー用紙に描いていました。描いたきっかけはいろいろありますが、小学生の頃、真島ヒロ先生の『RAVE』を読んだ時、『漫画って面白い!自分も描きたい』と思ったのを覚えています」
Q.今回の漫画を描いた理由は。
にいさん「お盆の頃に右耳の調子が悪くなりました。その後、漫画に描いた一連の内容を職場の方に話したところ、思いのほかウケたので制作しました」
Q.学生の頃、部活でいじめのようなものがあったということですが、耐えられたのはなぜでしょうか。
にいさん「当時は自分の中に『学校に行かない』という選択肢がありませんでした。振り返ると極力、問題を起こしたくないと思っていたのかもしれません」
Q.まじめな性格だったことで、一番損をした経験は。
にいさん「以前、他人から任された仕事を気乗りしないながらもコツコツとこなしていましたが、ある時、おいしいところを他人に持っていかれました。その人は普段、非協力的な方だったので頭にきました。ただ、私が仕事を引き受けたのは、まじめだったからではなく、断ることのできない流されやすい人間だったからと考えることもできます。
逆に報われたのは、変な友人関係に巻き込まれたことがないことです。私の周りにいる人はみんないい方ばかりです。これも、まじめが引き寄せたのかは分かりませんが」
Q.右耳の症状が出るまでに精神的、肉体的につらいと思ったことは。
にいさん「いつも何かしらモヤモヤとした不安感を抱えていたように思います。そうした状況から抜け出すべく、今もジタバタしています」
Q.タバコは一度吸ってやめましたか。
にいさん「もともとタバコの臭いが苦手なので、一本吸ったきりです」
Q.読者からどのような意見が寄せられていますか。
にいさん「賛同してもらえる内容の意見が多いように感じます。漫画に出てくる薬を普通に飲めるのは、味覚障害があるからでは、と心配してくださる方もいらっしゃいました。優しいですね」
Q.創作活動で今後、取り組んでいきたいことは。
にいさん「さまざまなジャンルの漫画を描き、多彩な表現ができたらと考えています」
(報道チーム)
漫画に出てくる薬、「イソバイド」だね。
あれ、元の成分が強烈に苦いのか、猛烈に甘いシロップに混ぜてあるので、結局甘苦くて大変なのだ。