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街のあらゆる場所に「美容院」 もうかるビジネスなの? “現状”を美容師に聞いてみた

美容院の経営は、収益を得やすいのでしょうか。美容師の働き方の変化も含めて、美容師に聞きました。

美容院の経営は収益を得やすい?
美容院の経営は収益を得やすい?

 美容院の数はコンビニよりも多いといわれています。実際に市街地を歩いていると、さまざまな場所に美容院があり、その数の多さに驚いたことはありませんか。美容院の経営は、収益を得やすいビジネスなのでしょうか。近年の美容師の働き方の変化も含めて、美容師の原木佳祐さんに教えていただきました。

閉店している店舗も多い

Q.市街地を中心に多くの美容院がありますが、美容院の経営は収益を得やすいビジネスなのでしょうか。

原木さん「やはり人口が多い街の方が需要があるため、人口に比例して中心部などに美容院が増えるということはあると思います。

ただし、『収益を得やすいかどうか』と言われると、一概に言えないところがあります。利益率という観点から見ると、仕入れ値などの原価率が他業種と比べると低く、予約をいただくことが一般的なため、『安定した集客ができる』『リピーター客も獲得しやすい』といった理由から『利益率が高い業種』であるといえるかもしれません。

また、カラーやパーマなどに用いられる薬剤も、使用期限が年単位と長いため、廃棄などが少ないという点もメリットといえますね。

そして、『1000円カット』などに代表される、回転効率を上げてサービス単価を下げる手法も、収益を上げるメソッドとして定着しているのも大きいですね。

ただ、美容院の開業数が多いのは事実なのですが、同時に閉店している店舗も少なくありません」

Q.美容院と比較すると、理容院はそれほど多くない印象がありますが、なぜなのでしょうか。

原木さん「男性は理容院、女性は美容院に行くのが一般的だった頃、働く人たちも男性は理容師として理容院に、女性は美容師として美容院にそれぞれ就職するのが一般的でした。

ところが、男性も美容院を利用することが徐々に一般的になると、男性も美容師として美容院で働くことが多くなってきたんですね。理容院は確かに数は少なくなっているのですが、中には『かみそりを使った技術』を生かし、独自性のある店舗を運営している事業者もあります」

Q.今後、美容院の数が減少する可能性はありますか。将来性については、いかがでしょうか。

原木さん「コロナ禍や家賃上昇などの影響で閉店に追いやられてしまった店舗はここ数年で多いと聞きますが、全国的に見ると店舗数自体は増加傾向にあるようです。

ただ、最近は美容師がたくさん在籍するような大型の店舗は少なくなっており、2〜3人程度で対応する小規模の美容院が増えてきた印象がありますね。

そういった意味で、店舗に『在籍する』という働き方よりも、独立開業をするというビジネススタイルに変わってきたことで、他の店舗とどう差別化を図っていくかということが重要になると思います」

* * *

 美容師業界でも働き方の多様化が進んでおり、フリーランスや独立開業を選ぶ美容師は少なくないのだそうです。ただ、店舗が増えると、その分、競合相手が多くなります。今後、業界がどのように変化するのか、気になりますね。

(オトナンサー編集部)

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原木佳祐(はらき・けいすけ)

美容師

美容師、パーソナルカラリスト認定講師、パーソナルカラリスト1級、骨格スタイルアドバイザー1級、色彩診断士。美容院では7年前から骨格診断とパーソナルカラー診断を取り入れ、日本で唯一診断の出来るヘアサロンを確立。 その後、顔タイプアドバイザー1級の資格を取り診断系をコンプリート。現在は表参道の美容院で現役サロンマネージャーとして活躍中。

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