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死亡リスクにも影響? 「食品スーパー」の存在が“高齢者の健康維持”に役立つ理由

住み替えも選択肢に?

 これからは人口減少を背景に、食品スーパーだけでなく、さまざまな生活利便施設が減っていくでしょう。であれば、特に高齢者は、歩いていける商業施設などがある場所に住み替えるという方法も検討した方がいいかもしれません。

 近くに食品スーパーがあることは、単に食品を手に入れやすいというだけではなく、よい生活習慣の実現を通じて健康維持につながるからです。商業施設側にとっても、購買力のある高齢者が増えるのは魅力的に違いありません。大きな高齢者向けの集合住宅ができたすぐ近くに、食品スーパーが新設された例も、筆者は実際にいくつか目にしています。

 別の観点では、魅力的な食品スーパーが近くにあることは、高齢者住宅を評価する際の必須条件といえます。建物が豪華で、レストランなどの施設があって、その他多様なサービスが提供されていたとしても、その場で生活が完結してしまって、外出もせず家事もしなくていいような暮らしは、心身の健康にとっていいはずがありません。かえって衰えが進んでしまいます。

 もちろん、食品スーパーが高齢期の問題を何でも解決してくれるはずはありませんが、ちまたにあふれる単発のサービスや商品とは違って、食品スーパーという存在には、高齢期の生活習慣をよくするための要素がいくつも詰まっていることは確かです。

(NPO法人・老いの工学研究所 理事長 川口雅裕)

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川口雅裕(かわぐち・まさひろ)

NPO法人「老いの工学研究所」理事長、一般社団法人「人と組織の活性化研究会」理事

1964年生まれ。京都大学教育学部卒。リクルートグループで人事部門を中心にキャリアを積む。退社後、2012年より高齢者・高齢社会に関する研究活動を開始。高齢社会に関する講演や執筆活動を行うほか、新聞・テレビなどのメディアにも多数取り上げられている。著書に「年寄りは集まって住め ~幸福長寿の新・方程式」(幻冬舎)、「だから社員が育たない」(労働調査会)、「チームづくりのマネジメント再入門」(メディカ出版)、「速習! 看護管理者のためのフレームワーク思考53」(メディカ出版)、「なりたい老人になろう~65歳から楽しい年のとり方」(Kindle版)、「なが生きしたけりゃ 居場所が9割」(みらいパブリッシング)、「老い上手」(PHP出版)など。老いの工学研究所(https://www.oikohken.or.jp/)。

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