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マッシュルーム、「ブラウン」と「ホワイト」で栄養は違う? 同じ? 管理栄養士に聞いてみた

「ブラウンマッシュルーム」と「ホワイトマッシュルーム」。色が異なる両者ですが、栄養素にも違いがあるのでしょうか。管理栄養士に聞いてみました。

栄養の違い、ある? ない?
栄養の違い、ある? ない?

 秋に旬を迎える「マッシュルーム」。家庭料理やおつまみなど、さまざまなレシピで活躍するキノコです。マッシュルームといえば、スーパーなどで「ブラウンマッシュルーム」と「ホワイトマッシュルーム」が並んで売られているのをよく見かけます。かさの色が異なるこの両者には、含まれる栄養素にも何か違いがあるのでしょうか。管理栄養士の岸百合恵さんに聞きました。

生のまま食べられる唯一のキノコ

Q.ブラウンマッシュルームとホワイトマッシュルームには、栄養素やカロリーなどの違いがあるのでしょうか。

岸さん「ブラウンとホワイトの色の違いは、マッシュルームの品種の違いによるものですが、文部科学省による『日本食品標準成分表』では、マッシュルームは種類問わず『マッシュルーム』として栄養成分値が示されており、種類によって差が出るのか明確に示すことができず、その成分に違いはないとしています。

マッシュルームは100グラムあたり11キロカロリーと低カロリーです。群を抜いて栄養豊富とはいえませんが、ビタミンB2、パントテン酸、カリウム、リン、葉酸、ナイアシン、食物繊維、マグネシウム、鉄、亜鉛などが含まれます。カロリーが低く、さまざまな栄養素が取れる点では優秀な食材です。

ブラウン種とホワイト種、それぞれの特徴は次の通りです」

【ブラウンマッシュルーム】

茶色のかさと白い軸が特徴のブラウンマッシュルームは、ホワイト種よりも肉質がやや締まっていて、風味や香りが強く、ジューシーに仕上がります。ブラウンの色味が染み出してくるという点でも、炒め物や煮込み料理に使うのがお勧めです。また、ホワイト種よりも少し長く日持ちします。

【ホワイトマッシュルーム】

全体が白く、カサの表面が滑らかで、ブラウン種よりも香りや味がまろやかです。炒め物やサラダ、スープ、シチューなどさまざまな料理に活用できるので、ホワイトマッシュルームの方が料理の応用範囲が広いでしょう。ブラウン種に比べて日持ちはよくありませんが、きれいに仕上げたいときや、ホワイトソース、ホワイトシチューといった料理にはホワイト種がお勧めです。

Q.ブラウンマッシュルームやホワイトマッシュルームの栄養を効率的に摂取できる調理法や、注意点とは。

岸さん「マッシュルームだけでなく、キノコ全般に当てはまることですが、含まれる栄養素は水に溶けやすいものが多く、洗うことで栄養素が流れ出てしまう恐れがあるため、洗わずに使用するのが基本です。水っぽくなってしまったり、風味を損なったりする可能性もあるため、キッチンペーパーで拭き取る程度にしましょう。

マッシュルームは、新鮮なものであれば生のまま食べることができる唯一のキノコで、スライスしてサラダなどに添えると、豊かな香りとシャキッとした歯応えが楽しめます。加熱することで減少してしまうビタミンやミネラルもありますが、食物繊維は残ります。栄養素を無駄なく取りたいということであれば、サラダなど生で摂取し、加熱するとしても最後に加え、さっと火を通して食べるのがお勧めです。生で使用する場合、レモンや酢をかけるとカットした面が変色するのを防ぐことができます。

実は、キノコの中でもマッシュルームはうまみ成分が非常に多く含まれているので、スープや煮込み料理に使用するとうまみたっぷりに仕上がり、溶けだした栄養素も汁ごと摂取できるのでお勧めです」

(オトナンサー編集部)

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岸百合恵(きし・ゆりえ)

プロボクサー、管理栄養士、日本糖尿病療養指導士

病院食の管理・調理業務や企業での特定保健指導を経て、生活習慣病診療を専門とするクリニックにおいて5年間、栄養指導を実施。アスリートとしても夢を追い掛け、2017年に日本ボクシングコミッション(JBC)のプロテストに挑戦し、一発合格。「闘う管理栄養士」として、チャンピオンを目指して日々トレーニングに励みながら、ボディーメークや健康管理の指導を行う。現在は、スポーツ・睡眠歯科分野の診療を行う歯科医院で、アスリートへの食事指導や、一般患者へのダイエット、フレイル・サルコペニア予防の指導を行う他、内科クリニックで生活習慣病患者に対する食事指導を行っている。

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