「色」が心理に与える影響は? 色彩のプロに聞いてみた
「色」は人の心理にどのような影響を与えるのでしょうか。色彩の専門家に聞きました。
「赤色は興奮作用がある」「青い物を見ると気持ちが落ち着く」という話を聞いたことがある人は、多いと思います。色は人の心理にどのような影響を与えるのでしょうか。色彩検定1級などの資格を持つ、山田優子さんに聞きました。
「感情効果」「生理的効果」がポイント
Q.そもそも「色彩心理学」という言葉がありますが、どのような学問なのでしょうか。
山田さん「色彩心理学とは、人間が色を見たときや色を感じ取ったときに、『その色によって、心情や行動がどのように変化するのか』という影響や効果について、研究を重ねることを指します。
色が持つ性質については、古代ギリシャの時代から研究が進んでいたとされており、今ではカラーセラピーやインテリアコーディネートの現場などで、色彩心理の効果が活用されています」
Q.色は人の心理にどのように作用するのでしょうか。
山田さん「色がもたらす効果については、大きく分けて『感情効果』と『生理的効果』の2種類があります。
感情効果はその色が持つ印象やイメージによってもたらされるもの、例えば『情熱的になる』『気持ちが明るくなる』『リラックスできる』といった感情を得る効果を指します。
もう1つの『生理的効果』は、イメージではなく実際に体に何らかの反応が起きている状態を指します。例えば、赤という色には交感神経を優位にさせ、血圧を上げる作用があるといわれています」
Q.主な色の作用について、具体的に教えてください。
山田さん「まず『赤』から説明します。赤は先ほども少し触れたように、交換神経を優位にして気持ちを高ぶらせる効果があるため、『情熱的』『興奮』『リーダーシップ』『危険』といったアグレッシブな印象を与える色です。
反対に、『青』は副交感神経を優位にさせてリラックスさせる効果があります。イメージとしては、『冷静』『クール』『さみしさ』といった要素も感じられますね。
『黄色』の場合は太陽をイメージさせ、明るく生命力のあるイメージです。また、『目立ちやすい』『注目を集めやすい』という作用から危険色として採用されることもあります。
そして『緑』は癒やしのカラーといわれていて、自然界の植物の若々しさやフレッシュさ、未熟さといったイメージを与えます」
自宅の部屋の雰囲気を変えてみたいと思っている人は、色の「感情効果」「生理的効果」を参考に取り組んでみてはいかがでしょうか。
(オトナンサー編集部)
コメント