犬のカラーリングって大丈夫? 動物ケアスタッフに聞いた
「赤・青・黄色」とカラフルカラーをした犬を目にすることがあります。可愛いなんて声をする人もいますが、これって犬にとってはどうなんでしょうか? 今回はペットのカラーリングについて動物ケアスタッフに聞いてみました。
街を歩いていると、赤や青、黄色といったカラフルな毛色をした犬を目にすることがあります。それを見て「かわいい」なんて声をする人もいますが、このカラーリングは、当の犬にとってはどうなのでしょうか……。そこでペットのカラーリングについて、動物ケアスタッフの石川美代子さんに聞いてみました。
犬の皮膚は人間の3分の1の薄さ 敏感肌の個体もいる
Q.ペットをカラフルにカラーリングをすることは問題はないのでしょうか。
石川さん「ペット用のカラーリング剤が売られていますので、ペットサロンなどでちゃんと知識のある人が正しく使用してカラーリングをすれば、必ずしも危険な行為というわけではありません。
しかし、私たち人間もカラーやパーマをして、まったく刺激を感じなかったという人もいれば、頭皮にカラー剤がしみたり、痛みが出てしまったという人もいます。
犬の皮膚は人間よりも薄く、比較すると約3分の1程度と言われています。つまり、人間よりも刺激に敏感ということになります。柴犬やフレンチブルドッグなど、犬種の特性として、もともと肌が弱い種類もいます。
例えペットにとって安全性をうたっている商品だったとしても、人工的な薬剤を使用するわけですから、個体によっては『リスクが少なからずある』ということを飼い主が事前に気に留めておく必要があります」
Q.カラーリングを実施する際に気を付けることはありますか。
石川さん「まず第一に、絶対に人間用のカラー剤は使用しないでください。人間用の商品はペット用よりもはるかに強い成分で構成されています。実際に海外では人間用のカラー剤が原因で皮膚炎をはじめとした重篤な症状に見舞われ、保護団体にレスキューされた例も報告されています。
近年、一般の人もインターネットでペット用のカラー剤を購入できたりしますが、もし自宅でカラーリングを行う場合は、特に異常がないか気にかけてください。人間もそうですが、初めて施術する場合は皮膚が慣れていない状態です。より反応や刺激が大きく出る可能性があります」
Q.もしカラーリングをした後に具合を悪そうにしていたら、どう対処すれば良いでしょうか。
石川さん「実際のところ、自宅でできることはほとんどありません。とにもかくにも、まずは動物病院に連絡をして受診することが一番です。
人間用ほど強力ではないにしろ、薬剤が一度ついてしまうと簡単に落とすことができません。また、見た目ではわからなくても皮膚への刺激が残り続けることもあるため、素人の判断ではやはり危険です。少しでも不安な点がある場合は、まずは獣医師の判断を仰ぎましょう」
まとめ
カラーリングをして犬をオシャレに見せたい、かわいくしたいという飼い主もいるかもしれませんが、カラー剤に対して細心の注意を払う必要があること、犬自体の肌や体調にも注意が必要だということです。
(オトナンサー編集部)
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