トイレにタンクがない? ニーズ拡大の“キャビネット付き便器” TOTO担当者が語るメリット
新築時やリフォーム時にタンクが隠れたタイプの便器を設置する人が増えていますが、とのようなメリットがあるのでしょうか。TOTOに聞きました。
一般的なトイレには、洗浄用の水をためるためのタンクが便器の後ろに設置されています。ただ、最近は、新築時やリフォーム時に、キャビネット付きの便器を設置する人が増えているようです。このタイプの便器は、キャビネットにタンクを隠しているのが特徴ですが、設置すると、どのようなメリット、デメリットがあるのでしょうか。
便器などの製造を手掛ける、TOTO(北九州市小倉北区)広報部東京広報グループの担当者に聞きました。
個室内が効率的に使用可能に
タンクを隠したキャビネット付きの便器を設置するメリットについて、担当者は「タンクがキャビネット内に収まっていることで、便器そのものの高さを抑えられるほか、キャビネットに物を収納できるため、トイレ内の空間を広くお使いいただけます」と解説してくれました。タンクが隠れていることで、個室を効率的に使うことができるのはもちろんですが、個室全体が広く感じられるようです。
また、「一般的なタンク付きの便器に比べて凹凸が少ない分、ほこりや汚れがたまりにくいため、清掃がしやすいのが特長です」と、清掃面でのメリットも強調しています。
従来のタンク付き便器と違い、キャビネット付きの便器には手洗い器が付いていませんが、普段、トイレ内で手洗いを済ませている人が不便に感じることはないのでしょうか。
この点については、「便器とは別に個室内に手洗い器を設置することもできますし、個室内に手洗い器がなくても、トイレの近くに洗面スペースがあればそちらで手を洗うことができます。お客さまには、トイレ空間の広さや洗面台の位置などに応じて、商品を採用いただいています」と話しており、メーカーは、商品の幅広い品ぞろえによって対応しているようです。
なお、TOTOを含む衛生陶器や温水洗浄便座のメーカーが会員となっている業界団体「日本レストルーム工業会」によると、従来のタンク式便器やキャビネット付き便器のほか、タンクが便器の外側に設置されていない、いわゆる「タンクレストイレ」と呼ばれる便器などのうち、高さが65センチ以下の製品は「ローシルエット便器」と呼ばれています。このローシルエット便器の採用は、年々増加傾向にあるということです。
同工業会が5月、加入企業のローシルエット便器の累計出荷台数が1000万台を突破したと発表しました。同工業会によると、2000年時点で大便器製品全体に対するローシルエット便器の出荷比率は1%未満でしたが、2022年時点では約20%を占めるようになったといい、コンパクトなデザインの便器の需要が高まっているのがよく分かります。
「トイレの中が窮屈」「個室内をもっと広く使いたい」と感じている人は、新築やリフォームのタイミングで、キャビネット付き便器を設置するとよいかもしれません。
(オトナンサー編集部)
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