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高齢者の「孤食」は本当にダメなのか? 「孤独のグルメ」に学ぶ“孤独じゃない孤食”へのヒント

食べたいときに食べたいものを、好きな環境で

 こう考えてくると、問題は孤食そのものではなく、孤食によるマンネリなのだと思います。

 五郎が孤食を楽しめるのは、見知らぬ街や通りで見知らぬ店に入り、緊張の中でどんなものが出てくるか分からないからです。いつも行く店で、いつも食べているものを食べるのなら、さすがの五郎でもあのような楽しい食事にはならないでしょう。マンネリを避けるには、食べるものや食べる時間、1人で食べるか誰かと食べるか、どこで食べるかを、自分で決められる環境であることが重要だということです。

 老人ホームに入所している人が、不満な点として「食事」をよく挙げられます。これは、味や品数などが原因なのではなく、毎日、同じ時間に皆が集まって、皆で同じようなものを食べるというマンネリに原因があるように感じます。

 高齢になると、食事は楽しみの大きな要素ですが、それはおいしいかどうかではなく、皆でしゃべりながら食べられるかどうかでもなく、「自分が食べたいときに、食べたいものを好きな環境で食べられるかどうか」ということではないかと、筆者は考えています。

(NPO法人・老いの工学研究所 理事長 川口雅裕)

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川口雅裕(かわぐち・まさひろ)

NPO法人「老いの工学研究所」理事長、一般社団法人「人と組織の活性化研究会」理事

1964年生まれ。京都大学教育学部卒。リクルートグループで人事部門を中心にキャリアを積む。退社後、2012年より高齢者・高齢社会に関する研究活動を開始。高齢社会に関する講演や執筆活動を行うほか、新聞・テレビなどのメディアにも多数取り上げられている。著書に「年寄りは集まって住め ~幸福長寿の新・方程式」(幻冬舎)、「だから社員が育たない」(労働調査会)、「チームづくりのマネジメント再入門」(メディカ出版)、「速習! 看護管理者のためのフレームワーク思考53」(メディカ出版)、「なりたい老人になろう~65歳から楽しい年のとり方」(Kindle版)、「なが生きしたけりゃ 居場所が9割」(みらいパブリッシング)、「老い上手」(PHP出版)など。老いの工学研究所(https://www.oikohken.or.jp/)。

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