高齢者の「孤食」は本当にダメなのか? 「孤独のグルメ」に学ぶ“孤独じゃない孤食”へのヒント
食べたいときに食べたいものを、好きな環境で
こう考えてくると、問題は孤食そのものではなく、孤食によるマンネリなのだと思います。
五郎が孤食を楽しめるのは、見知らぬ街や通りで見知らぬ店に入り、緊張の中でどんなものが出てくるか分からないからです。いつも行く店で、いつも食べているものを食べるのなら、さすがの五郎でもあのような楽しい食事にはならないでしょう。マンネリを避けるには、食べるものや食べる時間、1人で食べるか誰かと食べるか、どこで食べるかを、自分で決められる環境であることが重要だということです。
老人ホームに入所している人が、不満な点として「食事」をよく挙げられます。これは、味や品数などが原因なのではなく、毎日、同じ時間に皆が集まって、皆で同じようなものを食べるというマンネリに原因があるように感じます。
高齢になると、食事は楽しみの大きな要素ですが、それはおいしいかどうかではなく、皆でしゃべりながら食べられるかどうかでもなく、「自分が食べたいときに、食べたいものを好きな環境で食べられるかどうか」ということではないかと、筆者は考えています。
(NPO法人・老いの工学研究所 理事長 川口雅裕)



コメント