オトナンサー|オトナの教養エンタメバラエティー

「河川敷」「公園」でのバーベキュー、法律違反にならないの? 弁護士に聞いてみた

行楽シーズンに楽しむ人も多いバーベキュー。しかし、河川敷や公園で行うことについては、トラブルを懸念する声も。法的問題について弁護士が解説します。

河川敷や公園でのバーベキュー、法的問題は?
河川敷や公園でのバーベキュー、法的問題は?

 ゴールデンウイークも後半に入りました。家族や友人たちと集まって、バーベキューをしようと考えている人もいることでしょう。バーベキューをする場所として「河川敷」や「公園」を思い浮かべる人がいるかもしれませんが、「河川敷でやっていいの?」「公園は許可が必要なのでは」「ゴミや煙が迷惑」など、トラブルを懸念する声も少なくありません。

 行楽シーズンに注意したい、河川敷や公園といった場所でのバーベキューにまつわる法的問題について、芝綜合法律事務所の牧野和夫弁護士に聞きました。

バーベキューを制限する法律や条例が多数

Q.「河川敷」や「公園」でバーベキューをすることに、法的な問題は考えられるのでしょうか。

牧野さん「河川敷や公園でバーベキューをすることは、法律および各自治体の条例によって禁止や制限をされている場合が多いです。そのため、禁止や制限に従って、必要な場合には許可を得て行う必要があります。

バーベキューを禁止・制限している法律や条例としては、軽犯罪法、自然公園法、都市公園法、廃棄物処理法、消防法、火災予防条例、その他条例による規制、私有地の所有者による禁止などがあり、多くの規制や制限が設けられています。

特に、都市部の煙臭や騒音、ゴミについては各自治体の条例によって禁止や制限があり、条例で火気使用が禁止されている場所もあります。こうした法律や条例に違反すると、懲役や罰金といったペナルティーが課せられる可能性もあります。利用場所や方法の制限、事前許可の要否について、その場所を管理している各自治体に確認してから利用する必要があるでしょう」

Q.バーベキューが原因で、近隣住民に実害が出た場合、法的手段を取ることは可能なのでしょうか。

牧野さん「河川敷や公園でのバーベキューが原因で、近隣住民が煙臭・騒音によって実際に損害を被り、その損害や因果関係を証明できる場合には、民法の不法行為に基づき、バーベキューを行った者に対して発生した損害の賠償を請求することができます」

Q.その他、バーベキューに関する法的な注意点とは。

牧野さん「自宅でのバーベキューは一見、自由で無制限と思われますが、都市部や住宅密集地では、煙臭や火事の危険、騒音の問題が発生するので、市町村の条例で禁止されている場合が多く、注意すべきです。そもそも、マンションなどでは管理組合が火の扱いを禁止している場合がほとんどです。通報されてしまうと、軽犯罪法違反となる可能性もあるので注意しましょう」

(オトナンサー編集部)

【閲覧注意】マナー悪すぎ! 屋外に放置された「バーベキュー後の炭」のあまりにもひどい様子

画像ギャラリー

牧野和夫(まきの・かずお)

弁護士(日・米ミシガン州)・弁理士

1981年早稲田大学法学部卒、1991年ジョージタウン大学ロースクール法学修士号、1992年米ミシガン州弁護士登録、2006年弁護士・弁理士登録。いすゞ自動車課長・審議役、アップルコンピュータ法務部長、Business Software Alliance(BSA)日本代表事務局長、内閣司法制度改革推進本部法曹養成検討会委員、国士舘大学法学部教授、尚美学園大学大学院客員教授、東京理科大学大学院客員教授を歴任し、現在に至る。専門は国際取引法、知的財産権、ライセンス契約、デジタルコンテンツ、インターネット法、企業法務、製造物責任、IT法務全般、個人情報保護法、法務・知財戦略、一般民事・刑事。

コメント