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自分の人生を変える「メンター」に出会うには? 人脈づくりに例えて解説

自分の人生を変える「メンター」に出会うためには、どのような心構えが必要なのでしょうか。人脈づくりに例えて解説します。

「メンター」に出会うための心構えとは?
「メンター」に出会うための心構えとは?

 日本でもだいぶ「メンター」という言葉が使われるようになりました。メンターとは、「人生の教えを授けてくれる先生」という意味です。日本語では「恩師」という言葉が一番近いと思いますが、学校の先生だけではなく、職場の上司や仕事上付き合いのある人、業界で活躍している人など、さまざまなケースが考えられます。

 自分より先を行く人たちに、人生の知恵を授けてもらうという意味で「人生の師」といえますが、成功している人には、必ず「心の師」という存在の人がいるものです。素晴らしい出会いが人生の方向性を大きく変え、今の幸せで豊かな生き方を実現しているのです。今回は、ベストセラー作家・本田健さんの「ユダヤ人大富豪の教え」(だいわ文庫)を例に、メンターに出会うための心構えについて解説します。

信頼構築まで自分を売り込まない

 本田さんが最初にメンターだと思える人に出会ったのは、13歳のときだったといいます。当時、通っていた中高一貫校の教師であり、イエズス会の神父でした。教師として学問を教え、神父として人に希望を与え、なおかつ自由に英語を話しているのを間近に見て「この人のようになりたい」と憧れたそうです。

「そのメンターには人生のいろんなことを教わりましたが、中でも『英語が話せると人生が変わる』ということを教えてもらえて、本当に幸運だったと思います。当時、学生だった私にとって、英語は学校の授業の一つでした。しかし、英語を話せるようになることで、広い視野を持ち、外国の友人をつくったり、世界中を旅して歩いたりできる、そんなグローバルな人間になれるという夢を持つようになったのです」(本田さん)

「メンターとは視野を広げてくれる、人生を変えてくれる存在だと実感しました。また、メンターの話をすると、『メンターは、絶対必要なものですか?』と聞かれることがあります。もちろん、メンターはいなくても困らないでしょう。そうした世界だけを見て生きていたら、周りにいる人と同じような普通の人生しかイメージできないでしょう。しかし、メンターがいれば、もっと広い世界を見てから、自分の人生を決めることもできるのです」(同)

 本田さんの若いときのメンターの一人に、ある国の首相から直接、携帯に電話がかかってくるような人がいたそうです。そのメンターの姿を見て、「歴史の一部に関わっているような興奮を覚えたものだ」といいます。では、メンターとはどこで知り合うことができるのでしょうか。

人脈づくりには時間がかかる

 ここでは、「メンター=人脈」と置き換えてみます。人脈が欲しい人は即効性を求めています。しかし、それは無理な話です。店で店員に強引に勧められて、欲しくもない物を買わされた経験はありませんか。服を買おうと店に入ると、すかさず店員が横にやってきて「どんなものをお探しですか」と聞いてきます。

 聞いてくるだけならまだしも、突然「これを買ったほうがいいですよ!今日だけです!」なんて言われたら、興ざめです。初対面で積極的に売り込む人は、こうした行為と似ています。信頼関係が構築されるまでは、絶対に自分を売り込んではいけないのです。

 人脈構築を目的とした異業種交流会があります。著名人が参加していると、名刺交換に列を成していることがあります。会食中でも会場を走り回り、名刺収集にいそしむ人がいます。しかし、本来の人脈は人に魅力がなければ集まらないものです。人脈とは「本来は努力して構築するような類いのものではない」のだと思います。

 また、多くの交流会では「売り込み臭」が漂っているものです。参加者のほとんどが「仕事をもらいたい人」になるため建設的にはなりません。同じような人種が参加している交流会に参加しても得るものはありません。

結局は人の紹介が一番

 相手が著名人の場合、「自分に還元してくれないかな」と思うことがあるかも知れません。これは「善意の搾取」になります。お互い常にフラットな関係になっていることが好ましく、おごってもらったら、おごって返します。情報を教えてもらったら、参考になるような情報を返します。こうしてフラットな関係にしておくことが関係を長く続けるコツといえます。

 人とは簡単に結びつくものではないことに気付いた人は、このような交流会に嫌気がさすようになります。交流会の場合、コミュニケーションの質が下がります。全員と名刺交換をしても、名刺コレクターになってしまうため機会損失につながります。交流会では、ざっくばらんに話せて打ち解けるまでには至らないのです。

 筆者の人生を振り返っても、交流会や勉強会の類いでメリットになる人脈が構築できたことはなかったように思います。結局は人からの紹介だったり、仕事を通じた流れで人脈につながったりしていったように思います。さて、あなたはどのようにしてメンターをつくりますか。また、メンターが必要だと思いますか。この機会に考えてみるのはいかがでしょうか。

(コラムニスト、著述家 尾藤克之)

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尾藤克之(びとう・かつゆき)

コラムニスト、著述家 尾藤克之

コラムニスト、著述家。
議員秘書、コンサル、IT系上場企業等の役員を経て、現在は障害者支援団体の「アスカ王国」を運営。複数のニュースサイトに投稿。代表作として『頭がいい人の読書術』(すばる舎)など21冊。アメーバブログ「コラム秘伝のタレ」も絶賛公開中。

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