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あなたのお気に入りはどれ? 「野菜炒め」の味付けを紹介!

余った野菜で手軽に作ることができ、一度にたくさんの野菜を取ることができるメニュー「野菜炒め」。今回は、その基本的な作り方と味付けのアレンジについて解説します。

食卓の定番である野菜炒め

はじめに

 食卓の定番「野菜炒め」は、余った野菜で手軽に作ることができる上、複数の野菜を使うことで野菜不足を一気に解消できる優れたメニューです。ここでは、おいしい野菜炒めの作り方とさまざまな味付けのアレンジについて、料理研究家で管理栄養士の関口絢子さんに聞きます。

野菜炒めの理想形

 プロが作る野菜炒めがおいしいのは当然ですが、そもそもおいしい野菜炒めの理想形とはどのようなものでしょうか。

 多くの人が、家庭で作った野菜炒めに満足できない主な理由は「水分が出て、野菜がしんなりしてしまうこと」、そして「肉が硬くなりパサパサしてしまうこと」です。それに対し、おいしい野菜炒めのポイントは次の2点です。

1.彩り鮮やかな野菜がツヤツヤと輝き、シャキっとした食感が保たれている 
2.肉が硬くならずに、ふっくらとジューシーに炒められている

 最初に、野菜から水分が出てしまう仕組みについて考えます。野菜は、食物繊維の一種である「ペクチン」が植物細胞同士を接着剤のようにつなぎ合わせ、保水の役割を果たしていますが、このペクチンが崩壊することで水分が流れ出てしまいます。ペクチンを守ることができれば、野菜から水分が出てベチャッとした食感になるのを防げます。

【よく切れる包丁で大きさをそろえて切る】

 ペクチンがつないでいる細胞をなるべく潰さないようにすることが大切です。力を加えずにスッと切れる包丁を使うか、調理前に包丁を研いでおきます。さらに、短時間で均一に火が通るように食べやすい大きさに統一します。

【火加減は中火以下】

 水分を閉じ込めることができるペクチンは、75度以上になると崩壊するとされています。調理時の温度を75度以下に抑えることができれば、ペクチンは守られ、水分の流出を防ぐことができます。料理の手順などで聞くことの多い「強火で手早くシャキっと」というのは、調理時の温度が75度以上になる前に、素材に火を通し切るほどの強火とスピードを指す、いわゆる「プロの技」を意味する言葉です。しかし、家庭でそこまでの強火とスピードは望めないため、75度以下でペクチンを守りながら炒めましょう。弱めの中火くらいを目安にするのがベストです。

【塩分・味付けは最後に手早く】

 塩分を加えると浸透圧によって野菜の水分が外に出てしまうので、調理する際は炒めた後に手早く加えます。

 次に、肉が硬くなるのを防ぐためのポイントです。

【肉は下味をつけてコーティング】

 豚バラ肉や細切れ肉を硬くならないように仕上げるには、下味をつけて片栗粉でコーティングするのがポイントです。下味は少量の酒と塩・コショウが基本で、片栗粉を振りかけてもみ込んでおくと、おいしい肉汁や旨味を逃がさない上に肉の繊維の縮みが抑えられ、驚くほどふっくらと柔らかくジューシーに仕上がります。炒めすぎは硬くなる原因になるので、野菜を炒める際に肉をいったん取り出し、最後に合わせるのがポイントです。

【合わせ調味料で一気に調味】

 野菜が炒め上がった後は、しんなりとしないようにするため時間との勝負になります。短時間でさっと調味できるように、調味料は下準備の段階で合わせておき、最後に一気に回しかけます。完成したら、フライパンや中華鍋からすぐに器へ移し、余熱で火が入り過ぎないようにしましょう。

野菜炒めのレシピ【その1】

 野菜炒めの基本的な作り方と、毎日でも飽きない味付けバリエーション、具材のヒントをご紹介していきます。

【定番の和風野菜炒め】

【材料(2人分)】

・豚肉(細切れでも可。バラ肉がオススメ)…100グラム

・下味

(A)酒…小さじ1

(A)片栗粉…小さじ1

(A)塩、コショウ…少々

・キャベツ…100グラム

・もやし…100グラム

・ニンジン…1/2本(60グラム)

・ピーマン…2個(20グラム)

・マイタケ…1/2株

・調味料

(B)しょう油…大さじ1

(B)酒…大さじ1

(B)塩…小さじ1/2

(B)コショウ…少々

(B)サラダ油…大さじ1

【作り方】

1.豚肉はひと口大に切り(A)の下味の材料でもみこんでおきます。

2.キャベツは3センチの角切り、ニンジンは3センチ幅の薄切りに。ピーマンは縦に割って種をとって四つ切りにし、マイタケはほぐしておきます。野菜はよく切れる包丁で引くように切り、力で潰さないようにします。

3.(B)の調味料を合わせておきます。

4.フライパンに肉を広げてから火にかけると硬くなりません。色が変わったら、肉汁ごと取り出しておきます。

5.中火以下の火加減でニンジン、ピーマン、マイタケの順に入れてじっくり炒め、キャベツともやしを加えます。最初に油をひくと野菜に焦げ目がついてしまうため、野菜投入後に回しかけます。

6.野菜が食べられる硬さになったら肉を戻し、手早く合わせて調味料を回しかけ、強火にして30秒炒めたらすぐに器に取り出して盛り付けます。

(※中火以下で炒めると約8分かかりますが、水分の差ははっきりと出ます。合わせ調味料はこの合間に作ってもよいです)

【アレンジ】

 味付けは定番のままで、具材に2センチ幅に切ったさつま揚げを加え、器に盛り付けた上に紅ショウガと花がつおをトッピングすると、ひと味違ったメニューのように楽しめます。また、キャベツの代わりに白菜を使えばより甘みが出ますが、白菜は水分が出やすいため、先に1~2分湯通ししておくと水分が出るのを抑えられます。

野菜炒めのレシピ【その2】

 オイスターソースを使った中華風の味付けはいかがでしょうか。具材と作り方は【その1】と同じです。

【中華風の野菜炒め】

【合わせ調味料(2人分)】

・オイスターソース…小さじ1

・酒…大さじ2

・しょう油…小さじ1

・砂糖…小さじ1/2

・塩…小さじ1/2

 ニンニクのみじん切り少々とショウガの千切りを先に炒め、香りを出してから肉を炒めます。【その1】のマイタケの代わりにキクラゲや干しシイタケを使うとより中華風になります。野菜を炒め終わった後にゴマ油をかけるとよいでしょう。

【具材アレンジ】

 オイスターソースを使ったこの味付けには、1センチの厚さに切った厚揚げやニンニクの芽、ニラ、イカなどがよく合います。

野菜炒めのレシピ【その3】

【その2】と同じ中華風でも、みそを使うと回鍋肉風の野菜炒めが作れます。

【回鍋肉風の野菜炒め】

【合わせ調味料(2人分)】

・豆板醤…大さじ1/2

・テンメンジャン…大さじ1

・八丁みそ…小さじ1(なくてもよい)

・酒…大さじ1

・ラー油…小さじ1

・おろしニンニク…小さじ1/2

【仕上げ】

・しょう油…小さじ1

・ラー油…小さじ1

・オイスターソース…小さじ2

 みそを使うと焦げやすいため、より手早く短時間で炒め合わせるのが重要です。しっかりした濃い目の味付けになり、白米にとてもよく合います。豆板醤を合わせみそに、ラー油をゴマ油に変えれば、辛いのが苦手なお子様にもオススメの一品になります。

【具材アレンジ】

 みその色で茶色くなるため、鮮やかな赤や黄色のパプリカを使うと彩りがアップします。みそと相性の良いコンニャクや、ささがきにしたゴボウを入れるのもオススメです。

野菜炒めのレシピ【その4】

 素材の味が楽しめるシンプルな塩味ベースは、野菜のカラフルな彩りが生かせるメニューです。

【塩味ベースの野菜炒め】

【合わせ調味料(2人分)】

・鶏ガラスープの素…小さじ1

・酒…大さじ1

・塩、コショウ…少々

 炒める際、ショウガの千切りとニンニクのみじん切りを炒めて香りを出すと一層おいしくなります。シンプルな一品なので、炒め終わりにかける油にはこだわって、市販されている小瓶の「ネギ油」がオススメです。もちろん普通のサラダ油でも可。仕上げにレモン汁をかければ、よりさっぱりとしたメニューになります。

【具材アレンジ】

 イカなどの海鮮類を入れると旨味が加わります。また、エビやアスパラを入れると彩りもアップし、ワンランク上の野菜炒めになります。

野菜炒めのレシピ【その5】

 オリーブオイルやガーリックを使った、イタリアンな野菜炒めはいかがでしょうか。イタリアンらしく、使う野菜を少し変えて違ったニュアンスを楽しみましょう。

【イタリアンな野菜炒め】

【材料(2人分)】

・ベーコン…4枚

・赤パプリカ…1/2個

・ナス…1本

・アスパラ…4本

・ズッキーニ(キュウリでも可)…1/2本

・タマネギ…1/4個

・ニンニク…1片

・赤トウガラシ…1本

・オリーブオイル…大さじ1

【合わせ調味料】

・白ワイン(酒でも可)…大さじ1

・塩…小さじ1/2

・コショウ…少々

【作り方】

 
1.ベーコンは2センチ幅、赤パプリカは2センチ角、ズッキーニとナスは5ミリの輪切り、アスパラは4センチ幅に切ります。タマネギは薄くスライスします。

2.フライパンにオリーブオイルを入れて熱し、スライスしたニンニクと赤トウガラシを炒めて香りを出した後、ベーコンを炒め、油ごと取り出します。

3.定番の野菜炒めと同じ要領で野菜を中火以下でじっくり炒め、火が通ったらベーコンとオリーブオイルを戻します。最後に、合わせた調味料を入れて強火にし、軽く炒めて完成です。

【具材アレンジ】

 あっさりとした塩系の味付けになるので、イカやタコがよく合います。仕上げに生トマトのざく切りと生バジルを添えると、彩り鮮やかなイタリアンになります。

野菜炒めのレシピ【その6】

 ナンプラーを使うと、アジアンテイストの野菜炒めも簡単にできます。

【アジアンテイストの野菜炒め】

【材料(2人分)】

・豚ひき肉…100グラム

・ニンニク…1/2片

・赤トウガラシ…少々

・キャベツ…100グラム

・もやし…100グラム

・小松菜…100グラム

・赤パプリカ…1/2個

・サラダ油…大さじ1

【合わせ調味料】

・ナンプラー…大さじ1/2

・酒…大さじ1/2

・レモン汁…小さじ2

・砂糖…小さじ1

・塩、コショウ…少々

【作り方】

1.定番の野菜炒めと同様に、よく切れる包丁で野菜をざく切りにしておきます。

2.フライパンにサラダ油とみじん切りにしたニンニク、小口切りにした赤トウガラシを入れて熱し、香りを出したら、豚ひき肉をパラパラに炒めて油ごと取り出します。

3.中火以下の火加減で「1」の野菜を、じっくりと時間をかけて炒め、火が通ったら肉と油を戻し入れます。最後に合わせ調味料を回しかけて強火にし、30秒炒めたら器に盛り付けます。

 豚ひき肉は、定番の野菜炒めのようにバラ肉でもオーケー。ナンプラーは少し入れるだけでエキゾチックな香りが出ますが、独特の香りが苦手な方はカレー粉小さじ1に変えればクセのないスパイシーな野菜炒めになります。

味付けのアレンジは無数にある

「シャキッとおいしい野菜炒めを家庭で作る手順をマスターしたら、あとは合わせ調味料に変化をつけて楽しみましょう。飽きることなく、食卓への登場回数も増えるはずです。定番の和風しょう油味、オイスターソースを使った中華風、みそを使った回鍋肉風、あっさりシンプル塩ベース、ガーリックでイタリアン、ナンプラーでタイ風など好みの味付けを見つけてください。ほかにも、ゴマみそ味やコチュジャン味などアレンジは無数にあります。独自のアレンジレシピにも挑戦してみましょう」(関口さん)

(オトナンサー編集部)

関口絢子(せきぐち・あやこ)

料理研究家・管理栄養士・インナービューティースペシャリスト

米国栄養カウンセラー、ヘルスケアプランナー。企業やウェブサイトなどの各種メディアで、レシピやコラム、企画提案などを行う。斬新なアイデアやニーズを捉えた企画が人気を博し、CM用のフードコーディネートやフードスタイリング、商業施設のフードプロデュースなど多岐にわたり活動。「毎日続けられること」をモットーに簡単・おいしい・おしゃれ、かつ美容と健康に直結したレシピを発信。自らの体調不良を食で克服した経験から執筆した著書「キレイになる!フェロモンレシピ」で「食から始めるアンチエイジング」をテーマに、女性が一生輝き続けるための食事法を紹介。セミナーや女性誌の特集で人気を集めている。オフィシャルブログ(http://ameblo.jp/ayako-sekiguchi/)。

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