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「母国ウクライナ守るため」五輪メダル売却、是か非か 専門家の見解は?

メダルは返却すべきなのか?

Q.ネット上では、買い取った人が後日、選手にメダルを贈る(返す)ことを期待する声もあります。メダルは最終的にどのようになるのが望ましいのでしょうか。

江頭さん「購入した人には、さまざまな考えがあっての行動でしょうから、第三者がとやかく言うことではありません。メダルを返却すれば『美談』になりますが、私たちはメダル売却が『美談』を生む背景にある『悲劇』に注目すべきです。

理想論になりますが、ウクライナからオークションにかけられたメダルを集めて、スイスのIOC本部にあるオリンピックミュージアムに展示すべきだと思います。侵略戦争の被害にあったメダルとして。平和を願うIOC理念に基づき、二度と起きてはならない悲劇の証拠として。処分の決断をしたアスリートの声と、購入した人の声を展示し、メダルの所有権は購入者に残したまま、博物館がお借りして展示するのです。そして、処分せざるを得なかったアスリートには、IOCから再度授与するのがいいのではないでしょうか。

ロシアによるウクライナ侵攻を、国際社会はまだ止められていません。欧米各国は経済制裁を発動し、早期停戦を勧告していますが、軍事的介入はリスクが高く、踏み切れていません。

メダルのオークション出品という出来事を、どう捉えるべきなのか。一日でも早く戦争を止める材料にするには、どうすればいいのか。日本のスポーツ関係者にも考えていただきたいです。中学、高校、大学などのスポーツ指導者の皆さん、練習前にチームで議論してみてください」

(オトナンサー編集部)

【画像】ロシア軍の猛攻を受けたウクライナの惨状

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江頭満正(えとう・みつまさ)

独立行政法人理化学研究所客員研究員、一般社団法人日本スポーツマンシップ協会理事

2000年、「クラフトマックス」代表取締役としてプロ野球携帯公式サイト事業を開始し、2002年、7球団と契約。2006年、事業を売却してスポーツ経営学研究者に。2009年から2021年3月まで尚美学園大学准教授。現在は、独立行政法人理化学研究所の客員研究員を務めるほか、東京都市大学非常勤講師、一般社団法人日本スポーツマンシップ協会理事、音楽フェス主催事業者らが設立した「野外ミュージックフェスコンソーシアム」協力者としても名を連ねている。

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