大阪府が作ったUIJターン促進用ガイドブックのデザインが「怖い」「シュール」と話題に、担当者に聞く
大阪府が、UIJターン促進のために制作しているガイドブックの表紙ビジュアルがSNS上で話題です。一部「めちゃくちゃ怖い」などの感想も見られますが、このビジュアルを採用した理由は何でしょうか。大阪府に聞きました。

大阪府による「ボケない大阪UIJターンプロジェクト」で制作・配布している「大阪企業ガイドブック–ボケない大阪へ、ツッコメ。-」の表紙ビジュアルがSNS上で話題になっています。画像をアップした投稿者は「若者が潰される感すごいあるんですけど就活生に夢も希望もない感じしません?大丈夫???怖いの私だけ?」とコメント。これについて「めちゃくちゃ怖いですね」「就活生の現実を的確に捉えている」「不安を感じてる人ほど不吉に感じるのは仕方ないと思う」「シュールと言えばシュール」など、さまざまな意見が寄せられています。
就職を支援するガイドブックの表紙に、衝撃的なビジュアルを採用した経緯やきっかけはどのようなものでしょうか。同プロジェクトの担当者に聞きました。
東京圏に対して約1万人の転出超過
Q.このプロジェクトの趣旨や目的について教えてください。
担当者「大阪府では毎年、約1万人が東京圏に転出超過という状況にあります。その多くは20~30代の若者で、要因として多いのが、新卒者を含む若い世代が就業先を東京圏に求めるケースです。府では、生まれ育った大阪へ戻り、就職する『Uターン』、ほかの地域から大阪へ移住・就業する『Iターン』、東京で就職した人が地元近くでの定住先・就職先として大阪を選択する『Jターン』を推進しています。ほかの自治体でも、地域の魅力や個性を打ち出したUIJターン促進の動きが増え、全国的に地方創生の取り組みが活発化する中で、中小企業を含む数多くの企業があることを強みとする大阪を、移住先・就職先として多くの方に選んでいただけるように、『都市部から都市部への都市間UIJターンの実現』を目指して広くアピールを行っています」
Q.冊子はどれくらい配布されているのでしょうか。
担当者「プロジェクトの趣旨をより多くの方にお伝えしようと、2017年12月に約9000部発行し、2018年1月から順次配布しています。掲載企業は50社で、首都圏や大阪の大学でも配布中です」
Q.表紙にインパクトのあるデザインを採用した理由やコンセプトについて教えてください。
担当者「『大阪の魅力を、ボケずに真摯にお伝えする』ことをコンセプトとしています。元々、このビジュアルはプロジェクトのウェブサイトで使用していたもので、今回冊子の制作にあたって表紙にも同じものを採用しました。今回のビジュアルに似たものは約1年前にも制作しており、2年目となる今回はリニューアルという形です。こうした冊子の制作を役所が手掛けると、どうしてもインパクトが弱くなってしまう傾向があり、若い方に手に取っていただきにくくなってしまうため、目を引くような強いインパクトが必要だと考えました。結果的に、『大阪にツッコむ』ことを表現した今回のビジュアルには『斬新だ』『インパクトがすごい』などのご意見やご感想を多く頂いており、手に取ってもらえるかどうかという点で一定の効果があったと感じています」
Q.「ボケない大阪へ、ツッコメ。」というキャッチコピーの意図は何でしょうか。
担当者「お笑い文化で『大阪=ボケとツッコミ』というイメージがありますが、大阪にある魅力的な企業や仕事、暮らしについては一切ボケずに、まっすぐ明確に伝えたい、そして、大阪にツッコむくらいの意気込みで就職してもらいたいという思いを込め、このキャッチコピーを採用しました」
コメント